ハ・ジウォン(하지원)、チュ・ジンモ(주진모)、チ・チャンウク(지창욱)主演の韓国ドラマ
奇皇后(キ・ファンフ:기황후:きこうごう)の第10話解説(あらすじ含む)です。
奇皇后 キャスト・登場人物紹介(改訂版)
タファンは実は辮髪だった!モンゴルのヘアスタイル事情
何度も言っているように当ドラマは史実を元にしたファンタジードラマです。
そのため、服飾だけでなく髪型などの時代考証もなされていません。服飾については、敢えて当時使用されていなかった色も現代風に使用しています。
タファンの風貌も例外ではありません。
この写真のような風貌は漢族の王朝のイメージです。元はモンゴルが南下して中原に建てた国家ですので、実在した王たちは、このような風貌ではありません。
どんな風貌だったのかというと、頭のてっぺんはつるっつるの辮髪だったのです。
辮髪というと、清代のものを思い浮かべる人が多いと思います。下の画像は日本でも人気の高い清の康煕帝の息子たちとタイムスリップした現代の女性を主人公にした中国ドラマ『若曦』のものです。
清は女真族が建てた王朝で、モンゴルと同様に辮髪の習慣があります。
その他にも契丹などにもこの習慣が見受けられますが、一般的に辮髪としてイメージするのはこのような前を剃り上げて後ろをひとつに束ねるタイプだと思います。
けれど、モンゴルの辮髪はこのタイプではなく、まるでカッパのように天頂部周辺を剃り、側頭部の髪を編んで三つ編みを左右2箇所に作るものです。
上の画像を見ればよくわかると思いますが、これは、ドラマに出てくる皇太后ブダシリの夫トク・テムル(文宗)の肖像画です。左右で三つ編みが束になっていますよね!
帽子をかぶっていますが天頂部は剃ってあります。北方の民族は遊牧騎馬民族であり、カブトをかぶることからも、髪があると蒸れるということでこの習慣が生まれたようです。
辮髪は剃っていることにインパクトが有りますが、辯という字は編むという意味ですので、指し示しているのは残っている髪の方です。
元の場合には清と異なり辮髪を漢民族などに強要しませんでした。モンゴル及び元には、羅刹のごとく侵略を繰り広げたイメージが有りますが、基本的に素朴で寛容だったと言われています。
実際に、人材登用においては適材適所であらゆる民族を登用し珍重しています。また、貨幣経済が大発展したのも元の時代ということからもわかるように、非常に合理的な統治を行っていました。
もし彼らが清と同様の施策を取っていたなら、二手にわかれたモンゴル式辮髪ももっとメジャーになっていたことでしょう。
奇皇后第11話解説(あらすじ含む)に続く
文責:韓国ドラマあらすじ団
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