パク・ミニョン(박민영)、ヨン・ウジン(연우진)、イ・ドンゴン(이동건)主演KBS水木ドラマ
7日の王妃(チリレ ワンビ:7일의 왕비)
の最終回視聴感想(あらすじ含む)です。
7日の王妃 キャスト・登場人物紹介 パク・ミニョン、ヨン・ウジン、イ・ドンゴン主演韓国ドラマ
7日の王妃(チリレ ワンビ:7일의 왕비)作品データ
- 韓国KBSで2017年5月31日から放送開始の水木ドラマ
- 脚本:チェ・ジニョン(최진영)
- 演出:イ・ジョンソプ(이정섭)『町の弁護士チョ・ドゥロ』『ヒーラー』
- あらすじ:たった7日、朝鮮の歴史上、最も短い間、王妃の席に座り廃妃となった悲運の女性・端敬王后愼氏(タンギョンワンフ シンシ)を囲んだ中宗(チュンジョン)と燕山(ヨンサン)のラブストーリーを描いたロマンス史劇ドラマ
7日の王妃 最終回視聴感想(あらすじ含む)
まずは視聴率から。
最終回は7.6%で一週前に記録した自己記録の7.7%に若干及びませんでした。
けれど、最下位で推移していた順位が、最後の最後で2位となっています。
ずっと苦戦を強いられてきただけに、2位でのフィニッシュで、関係者は安堵したことでしょう。
さて、当作品は7日だけの中殿(チュンジョン:중전)だった中宗(チュンジョン:중종)の妃・端敬王后 愼氏(タンギョンワンフ シンシ:단경왕후 신씨)とその周辺にスポットを当てた作品でした。
大まかな史実のポイントは外していないものの、肉付き部分は基本的にフィクションで、荒唐無稽と言っていい内容でしたね。
そこで、史実をピックアップして、ドラマとの差異を見ていきましょう。
ドラマ内でシン・チェギョンという名前だった端敬王后 愼氏(タンギョンワンフ シンシ:단경왕후 신씨)が愼守勤(シン・スグン:신수근)の娘だったことは史実です。
13歳で当時は晉城大君(チンソンデグン:진성대군)だった李懌(イ・ヨク:이역)に嫁いだのが1499年、燕山君5年のことでした。
その7年後の1506年、中宗反正(チュンジョン パンジョン:중종반정)により燕山君(ヨンサングン:연산군)は廃され、晉城大君が王位に上がります。
そして、一旦は中殿になったものの、7日で廃されました。
その理由は、父・愼守勤の妹が燕山君の兄だったからにほかなりません。
廃主の外家が新王の外家と同じというのは後患でしかありませんから。
信念の人のように描かれていた李懌(イ・ヨク:이역)は、勲旧派の強行の前では何もできず、史実では恐れと優柔不断を発揮した王として認知されています。
王が従順でなければ、臣下は別の王族を擁立すればよいだけなので、強硬策は取れなかったのです。
朝鮮では王は絶対君主ではなくお飾りだった時代が多々ありました。
中宗はお飾りとまでは行かないものの、王権の脆弱な王でした。
燕山君(ヨンサングン:연산군)李㦕(イ・ユン:이융)への成宗(ソンジョン:성종)の遺言のくだりはフィクションです。
彼は流刑後間も無く31歳の若さで疫病により亡くなりました。
毒殺説はあるものの真相は闇の中です。
後患を恐れた臣下たちにより、彼の息子たちは全て殺されました。
愼妃(シンビ:신비)はその後も別の場所で生き残ります。
1537年に亡くなっているので、30年以上廃妃として過ごしていますね。
ここで寿命の話をまとめておくと、シン・チェギョンこと端敬王后(タンギョンワンフ)は1557年に71歳で没し、中宗は1544年に57歳で没しています。
朴元宗(パク・ウォンジョン:박원종)は最後には逆賊扱いされていました。
けれど、これは史実と大きくお異なります。
彼は後年、一人の下・万人の上としての地位・領議政(ヨンイジョン:영의정)にまで昇進しました。
チマ岩(チマ パウィ:치마바위)
端敬王后 愼氏(タンギョンワンフ シンシ)にはとても有名な説話が残されています。
廃妃が忘れられない中宗は、王宮内の楼閣・慶会楼(キョンフェル:경회루)から、彼女が住んでいる仁王山(イヌァンサン:인왕산)の麓を眺めました。
この話を聞いた愼氏は、かつて好んではいていた赤いチマを岩に掲げたと言われています。
ラストシーンで年老いた愼氏が赤いチマをはいていたのは、この説話をもとにした演出です。
また、王宮内に入って行ったことも外史として伝えられています。
正史ではないので史実とはいえませんが、殺伐とした悲劇の中に、民はロマンを求めたのでしょうね。
ちなみに仁王山は、王宮の西側の山です。
総評
一言で言うなら残念なドラマでした。
ここまで史実から離れると視聴者は興ざめするもので、案の定、視聴率は鳴かず飛ばずでした。
ただし、イ・ドンゴンが演じた燕山君(ヨンサングン)のできは素晴らしいものでした。
過去演じられた燕山君では表現できなかった内面の葛藤が演技ににじみ出ていたように思えます。
史実の先入観無しで視聴すればまた違った評価になる可能性も否めません。
そういった意味ではBS向けのドラマなのかもしれませんね。
文責:韓国ドラマあらすじ団
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