うなだれるチフン。ブラッキーの名前がジャディだと思っていたが、ダニエルにSNSで尋ねたところ子ヤギという意味だったのだ。そのため、男の子の名前は結局わからずじまいなのだ。
まだ名前がわからないの?奥歯を噛んでなさいと、モヨン。
シジンからの電話で表に出るモヨン。
『私たちの約束、2時間半も残ってるけど、また、早くきたのね?前のように?・・・どうしたの?早くきたんじゃないのね』と、モヨン。
『はい』と、シジン。
『また、百貨店?』と、モヨン。
『はい』と、シジン。
『今回はちょっと、長く行くことになりました。今しか時間が捻出できないようで、顔を見て行こうと』と、シジン。
『長くってどれくらい?1週間?2週間?』と、モヨン。
『3ヶ月です』と、シジン。
『3ヶ月?外国にある百貨店なの?』と、モヨン。
『入隊したことにしてよ。入隊すれば普通、100日後に休暇が出るから』と、シジン。
『運命にもないゴム靴を作るの?いま?』と、モヨン。
『別の奴と酒を飲まないでよ』と、シジン。
黙ってうなずき・・・『あ~、ゴメン。そうしないように努力したけど、うまく出来ないわ』と、モヨン。
モヨンをハグし、『努力させて、すみません』と、シジン。
『分かるなら早く戻って。ケガせずに、遅れずに』と、モヨン。
『ケガしないよ、死なないよ。必ず戻るよ。約束するよ』と、シジン。
『連絡はできる?』と、モヨン。
『インターネットやデータが繋がる所ではないはずです。電話は、できるたびに必ずします。一季節だけ、良く過ごしていて。季節が変わる頃に、必ず帰って来るよ。それじゃあ』と、シジン。
『もう?ちょっと!』と言い、シジンに抱きつくモヨン。
『会いたいでしょう』と、シジン。
『私もよ』と、モヨン
※ゴム靴・・・軍隊に彼氏を送った女子
シジンのクルマを見送るモヨン。
サイドミラーでその様子を見るシジン。
モヨンはふと、アグスの言葉を思い出す。
『ビッグボスは、賢くて、ユーモラスで、神秘的だろ?けれど、彼は秘密が多い。たびたび 消えるし、連絡がうまくできないし、そうしてある日には、ピシュー、行って永遠に帰って こないんだ』
心ここにあらずのモヨンは、無意識のうちに食堂でキムチを山盛りにしていた。
『ちゃんと到着しました。すごく会いたいです』とのシジンからのメールを見とほっとする。
シジンにメールをするモヨン。
『出勤中。ソウルの空は完全に高いわ。そこはどう?寒いところなのか、暑い国なのか?どこにいようと、すごく、すごく、すごく、会いたいです。
TVから愛国歌が出てるわ。私は何の愛国歌が主題歌な、こんな恋愛をしているの?テ~ハンサラム、テ~ハ~ヌ~ロ♪ 早く戻って!会いたいわ・・・。
応急室が忙しくて、これからようやく昼食をとってる最中。ここはいつのまにか冬よ。季節が変われば戻るって言ったのに、どうして戻らないの?連絡一本ないなかで・・・悲しい』
屋上から見えるヘリを見て、『あれに乗ってくるならいいな・・・』
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