シジンの話し方
訳している時にうっかりしてしまいそうなのがシジンたち軍人の話し方です。
もともと韓国語は絶対敬語なので、その部分を日本風にアレンジすることもしばしばなのですが、シジンのセリフについては気をつけて訳すようにしています。
というのも、彼の場合、基本的には軍人風に硬い話し方をしているのですが、同じ文章の中にちょいちょいソフトな表現を混ぜるから。
それだけでなく、口にバターを塗っているようになめらかなジョークをかますのも彼の特徴で、できるだけこれらの表現には忠実でありたいと思っています。
そのため、訳だけを読むと変な感じがするかもしれませんが、そのように話しているものと思ってください。
このあたり、日本に上陸した際には表現方法が統一されそうですね~。
また、ひょっとすると英語字幕で視聴している方もいるかもしれませんが、当然ながらこのニュアンスは英語だと絶対に出ないものです。
階級的には上のシジンでも、テヨンに対してはずっと敬語です。
けれど、形式上だけ敬語で、とても気心が知れている感じで話していて、そこがまたツボでもあります。
テヨンとミョンジュの会話も面白いですよね。
年上のテヨンはずっと敬語で、ミョンジュは敬語を使ったりタメ口になったり。
年は下だけど上官ということで、お願いを命令に置き換えて話すミョンジュが健気です。
それにしても、凄腕のテヨンが評価されず、学歴の壁があるなんて、戦争したら負けちゃいますよ!
タナカ(다나까)体
言葉のことをもう少し詳しく話しましょう。
韓国軍が韓国語の文法にない表現方法を使っているということで、この3月1たちから勤務外では通常のヘヨ(해요)体を使うということになりました。
普段良く耳にするヨ(요)で終わる話し方です。
その軍隊式な文法はタナカ(다나까)体と呼ばれ、語尾はタ(다)・ナ(나)・カ(까)?です。
もちろんシジンもそのように話しており、国防軍としてはタイミングの悪いことに、ドラマの大ヒットでタナカ体が女子の間でも流行っているとかいないとか。
ドラマ内でも『~マリムニダ(~말입니다)』『クロッスムニダ(그렇습니다)』『アニムニダ(아닙니다)』『~ハショッスムニカ?(~ 하셨습니까?)』のような表現が頻繁に出てきますので、耳をよく凝らして聞いてみてください。
また、軍隊内では絶対敬語ではなく相対敬語の一種である壓尊法(アプジョンポプ:압존법)が使用されます。
言語の勉強を正式にしていないので詳しいことは割愛しますが、日本風の敬語の様式になると思ってください。
たとえば、課長に対して平社員が主任のことを話す時は、主任にも『さま』をつけるのが韓国では常ですが、軍隊ではそうはならないのです。
もともと日本語と韓国語の互換性を重視して、できるかぎり直訳的に翻訳している当サイトですが、このような事情もあり、訳がブレブレになているかもしれません。
変だなと思ってもスルーしていただければ幸いです!
地震は・・・
地震の設定に関してはかなり残念でした。
シジンが運転中に見たテロップでは6.7という数値でしたよね?おそらくはマグニチュードでしょう。
地割れに飲み込まれた人がいたので活断層による直下型だったのかもしれません。
それにしても、石組みの建物が崩壊するのはわかるのですが、作っている途中の近代的な建築物があそこまで破壊されるなんてナンセンスだと思いません?
韓国人だと疑問に思わないことかもしれませんが、地震慣れした日本人にはそう映ったのではないかと思います。
どうせなら設定数値を7.7や8.7にしていればよかったのかもしれませんね~。
ただし、無きにしも非ずと言えなくは無いかもと思ってみたり(歯切れの悪い表現ですね:汗)
というのも、耐震に関する常識が日本人と大陸人では全く違うからです。
大陸に行くと、柱が細いんですよね~。これはどこに行っても例外はなく、個人的にいつも不安を覚えます。
大きな地震が殆ど無い場所なので、そもそも堅牢な建物がいらないのです。
僕には少なからずネパール人の友人が居て、カトマンズに行った際に、『日本と同じ規模の地震が起きたら、建物が壊れまくるから覚えておいて』と話したことがありました。
地震のことなんか考えていないから、レンガを積んだだけで3・4階建てを建てたりするんです。そりゃ~揺れたら崩れますって!
そして実際に地震が起きて崩れてしまいました。
当ドラマのロケ地はギリシャで、架空のウルクという国家に設定されています。
周りの建物を見ると、大きな地震ですぐにでも崩れそうな石積みもありましたね。
今回のソーラーシステムと、それに付属する建築物がメイド・バイ・ジャパンなら崩れなかったのかもしれません。
けれど、ここはキム・ウンスクさんが、自国の建築物に対する信頼性のなさを考慮して、わざと破壊したと考えることもできます。
というわけで、ボクの思考は、『6.7であれはないでしょ?』から『韓国の建築物に対するアンチテーゼに違いない』に変わったのでした(汗)
活断層の真上に建築したのもコリアンスタイルに違いなく・・・。
おそらくは前者が正しいのですが、後者なら脱帽です。
キム・ウンスクさんにはいつも脱帽しているので、後者だと言ってほしいな~。
セカンドストーリーが秀逸すぎる!
力のある作家というのはやはり違うもので、他の作家と同じようにセカンドストーリを設定しても、頭1つどころか、3つ4つも飛び抜けています。
キム・ウンスクさんは、よくもまあ、ここまでヒット作を紡ぎ出せるものだと、感心せずに入られない作家ですよ、ホント。
個人的にはシジン・モヨンラインよりも、テヨン・ミョンジュラインのほうが気になって仕方ありません。
前者が当事者次第なのに対し、後者は超えなければならない壁が多くあるからでしょうね~。
学歴の差による階級の逆転、しかもミョンジュは医師、同じ軍人でミョンジュの父ユン中将の反対と、普通なら諦めてしまう設定です。
けれど、ミョンジュに男を見る目があって、そんな壁など関係なく突き進んでいます。
こんないい女どこに居ますか?
しかも、テヨン自身も条件的には不利なのに、凄腕で優秀というところが魅力です。
そして、この二人のやり取りがいつも切なくて泣けてきます。
ぜひぜひハッピーになってほしいものですね。
文責:韓国ドラマあらすじ団
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