キム・サンジュン（김상중）、キム・テウ（김태우）、イム・ドンジン（임동진）、イ・ジェヨン（이재용）主演のKBS1大河ドラマ
懲毖録（チンビロク：징비록）
の第9・10視聴感想（あらすじ含む）です。
懲毖録（チンビロク：징비록）作品データ
- 韓国KBS1で2015年2月14日から放送開始の大河ドラマ
- 脚本：チョン・ヒョンス（정형수）、チョン・ジヨン（정지연）
- 演出：キ、ウ・サンフィ（김상휘）、キム・ヨンジョ（김영조）
- あらすじ：リュ・ソンニョン先生が執筆した『懲泌録』の内容を基に、壬辰倭乱が発生する前から李舜臣将軍が戦死した露梁（ノリャン）海戦までの時期に朝廷で繰り広げられる話
- 視聴率 第9話10.7％ 第10話10.7％
懲毖録（チンピロク：징비록）第9・10話視聴感想（あらすじ含む）
視聴率は10％アップを連続させ安定感が出てきました。この調子でそろそろ12％あたりの数値を見せて欲しいところですが、内容が難しいため脱落者も多いかもしれません。
壬辰倭乱（イムジンウェラン：임진왜란）が始まり李舜臣（イ・スンシン：이순신）が出る頃には戦いの描写が多くなるはずなので視聴者が増えるかもしれません。
第9話10話で語られた中でもっとも重要なシーンは南北に分裂した東人（トンイン：동인）の姿でしょう。
松江 鄭澈（ソンガン チョン・チョル：송강 정철）の主導のもと、光海君（クァンヘグン：광해군）を世子（セジャ：세자）に冊封しようとして動いた建儲問題（コンジョムンジェ：건저문제）で、鄭澈のみならず西人（ソイン：서인）自体が壊滅打撃を受けました。
鄭澈は結局流刑となったのですが、彼の処分に対して強行的だった鵝溪 李山海 （アゲ イ・サネ：아계 이산해）と、穏健的だった柳成龍（ユ・ソンニョン：유성룡）とに軋轢が生じます。
そして、東人はソンニョンら南人（ナミン：남인）と李山海ら北人（プギン：북인）とに分裂しました。南北の名称はそれぞれ家の位置によるものです。
イ・ビョンフン監督作品の李祘（イ・サン：이산）や同伊（トンイ：동이）にも南人が登場しますが 、その原点はここにあるのです。
ソンニョンの進言により、明へ洗いざらい全て報告するべく奏請使（チュチョンサ：주청사）が送られます。けれどこれがブーメランのように返ってきて、義州牧使を更迭しろと言われ、さらに法外な銀1万両を要求されます。
これが後に宣祖（ソンジョ：선조）より怒りをぶつけられる原因となりました。
このシーンで万暦帝に対して宦官がヒソヒソと話したあとに銀の話が出てきましたが、この頃は明も末期で宦官が跋扈しており、行程は傀儡化していたのです。
また、ソンニョンは備えあれば憂いなしとの見地から防衛の必要性をずっと主張してきましたが、その意見は却下されます。
朝鮮の良民（ヤンミン）は田税の他に軍に賦役する代わりに収める軍布も収めねばならず、更に労役まで課され三重苦に陥っていました。
ソンニョンは両班などの地主からも前者2つを徴収すれば良いと主張したものの、特権階級の抵抗は激しい事が予想され、また自らも地主である重臣たちからの反対を受けます。
そのため、民心を考えてという建前で築城に関する労役を休止することとなりました。これにより民の不満を解消し民乱を防ごうとしたのですが、北人の取った手法は最悪でした。
既得権益を守る方向で調整したがゆえに、国防が完全におろそかになってしまったのです。
それでも最低限の備えを画策するソンニョンは、李舜臣がすすめる亀船（コブクソン：거북선）の造船を進めようとします。日本で言う亀甲船です。
けれど、国防に関する国事がストップしたため滞ることに。それでも大司憲（テサホン：대사헌）李德馨（イ・ドッキョン：이덕형）の協力の下、不正を暴き米を調達することで造船のめどが立ちます。
日本側では前田利家が出てきましたね。秀吉は孫四郎と呼んでいましたが、日本では彼のことを又左衛門か又左と呼ぶことのほうが多いです。
槍の又左といえば利家のことですから。けれど間違えではありません。孫四郎と呼ばれていた記録も残っています。
日本の武将たちも苗字で呼ばれていますが、名で呼んだほうが無難な武将も数多くいますよね。これはこれで韓国的な見地ということでしょう。
懲毖録（チンビロク：징비록） 第11・12話視聴感想（あらすじ含む）に続く
文責：韓国ドラマあらすじ団
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