ハ・ジウォン(하지원)、チュ・ジンモ(주진모)、チ・チャンウク(지창욱)主演の韓国ドラマ
奇皇后(キ・ファンフ:기황후:きこうごう)の第3話解説(あらすじ含む)です。
奇皇后 キャスト・登場人物紹介(改訂版)
いや~、今回も面白かったですね~。韓国での本放送以来の視聴ですが、程よく忘れているので全く飽きずに見ることができます。
チャーミングなハ・ジウォンとコミカルなチ・チャンウクの掛け合いが始まり、ますますのめり込んでいるという人も多いと思います。
また、視聴率もかなり良いのではないかと思います。当サイトもおかげさまで、昨日は7万ページビューを越えていました。
サーバーを変更して強度が増しているとは言え、1分で900人以上がアクセスしているので、危険を回避する意味でも今週から月曜日に解説をアップすることにします。
タファンは皇太弟か皇太子か?
韓国時代劇ファンの多くは朝鮮を舞台にした作品を主に視聴していると思います。けれど、奇皇后は元と高麗(コリョ:고려)が舞台ですので、改めて知識を入れなければなりません。
また、NHKのセリフは万人にわかりやすくすることに主眼をおいて制作されているため、もう一歩深く知りたい方にとっては、かゆいところに手が届かないものになっています。
今回取り上げる、『タファンは皇太弟か皇太子か?』というお話もその一つです。
今回のセリフで皇太子(ファンテジャ:황태자)となっていた箇所は、実際には皇太弟(ファンテジェ:황태제)と言っています。ハングルでも日本語でもほんのちょっとの差しかありません。
けれど、この違いを知るだけでも、多くの情報を得ることができます。
結論から言うと、タファンは現皇帝の兄であり、皇帝に何かあれば次期皇帝となる身分です。けれど、兄なのにどうして弟という字が使われるのでしょうか?
その前に、元の皇帝を整理しておきましょう。以下がタファンの父以降の元の皇帝と続柄です。
後期の元の皇帝
- 第8代明宗(ミョンジョン:コシラ:1329) タファンの父
- 第9代文宗(ムンジョン:トク・テムル:1328-1332) タファンの叔父で皇太后の夫
- 第10代寧宗(ニョンジョン:イリンジバル:1332) タファンの病床の弟
- 第11代順帝(スンジェ:トゴン・テムル1333-1370) タファン本人
この親子と叔父の時代はかなり複雑です。順番から言うと、タファンの叔父トク・テムルが先に皇帝になっています。そして、彼を担いだのがドラマ内ではヨンチョルとして登場するエル・テムルです。
この時のエピソードもかなり面白いのですが、今回は割愛します。機会があれば紹介していきます。
タファンの父コシラはヨンチョルに毒殺されたというのが通説です。第3話では剣で殺されてましたね。
また、このヨンチョルも本来ならタファンとは活躍する時代の異なる人物です。この点についてはおいおい解説していきます。
さて、本題に戻りましょう。ヨンチョルによって擁立されたのはタファンではなく、幼い弟のイリンジバルでした。本来は皇太后の子を即位させたかったものの、トク・テムルの遺言に従ったのです。
それならば長子のタファンが皇帝に上がるべきですが、御しやすい歳若い方を選択するのが為政者の理ですね。
解説書には流刑となっていたタファンを呼び戻すには時間がかかったと書いてありますが、必要であれば呼び戻したはずです。そんな理由で皇帝を決めることはあり得えません。
ヨンチョルがタファンを呼び戻さなかった理由は、一説には復讐を恐れたからと言われています。ただし、もともとモンゴルというのは長子が代を継がないことが多々ある上に、タファンの母親のほうが格が下だったために、イリンジバルの即位は順当だったとも言えます。
そうしておいて、兄のタファンを皇位継承権第一位に付けたのですが、いくら兄と言っても皇太兄とすることはできません。
兄という時点で格が上ということになり、名分が成り立たなくなるからです。そのため敢えて弟扱いし格を下げ、皇太弟という地位に柵封しているわけです。
ちなみに、朝鮮時代のドラマには皇太子は出てきません。ご存知のように世子(セジャ:세자)です。『皇』という字は唯一中元の覇者と皇子にのみ許されるためです。
中殿は大妃に
瀋陽王が前中殿(チュンジョン:중전)を大妃(テビ:대비)と呼ばずに中殿と呼んでいたシーンが有ったのですが、音声はそのままでセリフは中殿になっていました。
よく気づいたなと思いましたが、ひょっとして当サイトを担当者が見ていたのかなとも思ってみたり(笑)
けれど、そのように正しく変更するのであれば、皇太弟を皇太子にする必要もないと思うのですよね~。
もちろん皇太子にしたほうがわかりやすくはありますが、大妃なんてわかりにくい単語はそのままになっているのだから、視聴者の学習効果を期待しても良さそうなものです。一度字幕を入れればわかるレベルですし。
他にも、『アレレ?』と思ったところがあったのですが失念してしまいました。又の機会にピックアップします。
文責:韓国ドラマあらすじ団
コメント
ストーリー展開が速いので、皇太子なのに弟の崩御をまってる事に
?と思いながらも、まぁいいか・・・と思ったり・・・
でも、このドラマに嵌れば嵌るほどモヤモヤがましていました。
今日、ここを訪れて、すっきりしました。ありがとうございます。