ハ・ジウォン(하지원)、チュ・ジンモ(주진모)、チ・チャンウク(지창욱)主演の韓国ドラマ
奇皇后(キ・ファンフ:기황후:きこうごう)の第9話解説(あらすじ含む)です。
奇皇后 キャスト・登場人物紹介(改訂版)
ムスリとはモンゴル語で少女という意味
女性ということがバレて以降のスンニャンは、宮中の雑用係ムスリ(무수리)として働いています。結構有名な話ですが、このムスリという言葉は、朝鮮語ではなくモンゴル語です。
朝鮮王朝を描いたドラマにもたびたびムスリ(무수리)が登場しますね。
直近ではスクチョンの後宮・淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)の生涯を描いたイ・ビョンフン監督ドラマ・同伊(トンイ:동이)がありました。
彼女はムスリ出身だったという説があります。(正史ではなく野史での説)
そのムスリという言葉の語源は、モンゴル語で『少女』を意味します。
ドラマ・奇皇后を見ていると、朝鮮王朝の前の王朝・高麗(コリョ:고려)がモンゴルが建てた国・元によって服従を強いられていることからもわかるように、この時期に多くのモンゴル的慣習が半島に流入しています。
特に各代の高麗王妃が元の王族出身の女性であるため、その周辺でモンゴル語や文化の定着が見られます。
他にも、大長今(テジャングム:대장금)ですっかりおなじみになった宮中の台所・水剌間(スラッカン:수라간)などもそうで、スラ自体がモンゴル語で料理を意味します。(モンゴル語の発音はシュラに近い)
とはいうものの、ムスリという言葉は高麗の正史・高麗史には登場しません。けれど、王朝が変わった直後の朝鮮第3代太宗(テジョン:태종)の御代がまとめられている太宗実録からは、何度か登場します。
ただし、言葉自体はムスリではなく、水賜(スサ:수사)や水賜伊(スサイ:수사이)・水賜婢(スサビ:수사비)などです。また、彼女たちが働いていた場所は水賜間(スサガン:수사간)と呼ばれていました。
朝鮮王朝実録は朝鮮式の漢文で書かれているためにわかることなのですが、ムスリという言葉の音自体には正式には漢字は当てられていません。
そのため、文語としては上記のような表現を使い、口語としてムスリという言葉を使用したようです。
余談ですが、スンニャンに良くしてくれるムスリのホンダン役のイ・ジヒョン(이지현)は、大変有名で視聴率を持つ男と言われるイ・ドックァ(イ・ドクファ:이덕화)の娘です。
遺伝子を受け継いだのかしっかりとした演技を見せています。主役になれるタイプではなさそうですが、名脇役として個性的な女優になってほしいものです。
奇皇后第10話解説(あらすじ含む)に続く
文責:韓国ドラマあらすじ団
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