韓国映画「パラサイト」がアカデミー賞で4冠(作品賞、監督賞、国際映画賞、脚本賞)を達成しました。
しかも、外国語映画では初めて主要タイトルを総なめしたことで、このニュースが驚きを持って世界に伝えられました。
あらすじ団は本来ドラマのレビューを紹介していますが、すでに視聴していることもあり、今回はこの映画を紹介します。
原題は寄生蟲(キセンチュン)
ネットニュースで紹介されているのは英名「Parasite:パラサイト」ですね。
実はもともとの題名は寄生蟲(キセンチュン:기생충)です。
これは漢字語で、意味は日本語と全く同じです。
邦題は「パラサイト 半地下の家族」のようで、いつもクレームしているように必要のない仕事の成果がくっついています(汗)
漢字語なんだからそのままにすればいいものを・・・。
監督はあのポン・ジュノ
鬼才・天才、そんな言葉が似合う監督で、興行的にも成功を収めています。
映画を殆ど見ないボクでも2003年の殺人の追憶(サリネ チュオク:살인의 추억)、2006年の怪物(ケムル:괴물)、そして2019年の「パラサイト」は知っているくらい。
「殺人の追憶」については覚えていないものの、後者2つは観客動員数が韓国内で1千万人を超えています。
また、これまでも数々の映画賞を受賞しており国際的な知名度は抜群。
個人的にはオスカーを手にしたことに違和感は感じませんでした。
ちなみに、先述の「怪物」の邦題は「グエムル-漢江の怪物-」です(またいらないものがくっついて:汗)
俳優陣は意外と豪華でない
意外に思うかもしれませんが、一部の俳優を除いて他の参加俳優はそう有名ではありません。
もっとも、一人怪物級の人がいますが(笑)
上の画像の8人をそれぞれ紹介しましょう。
ソン・ガンホ(송강호) キム・ギテク(김기택)役
画像最右。
韓国映画界のモンスター。国民的俳優。
ポン・ジュノ監督と組むことも多く、数多のヒット作に出演。
先述して紹介したポン・ジュノ監督の代表作3つは、いずれもソン・ガンホが主演です。
それだけでなく、観客動員1000万人以上の作品「弁護人」「タクシードライバー」にも主役で登場します。
イ・ソンギュン(이선균) パク・ドンイク(박동익)役
画像左2。
ドラマファンにはおなじみの俳優。
日本だとコン・ヒョジンと共演した「パスタ」が有名かもしれません。
IUと共演した「私のおじさん」あたりも認知度があるかも?

ちなみに、現在放送中の検事の内戦(コムサネジョン:검사내전)は低視聴率です。

チョ・ヨジョン(조여정) ヨンギョ(연교)役
画像右4。
正直なところぱっとしないドラマに出演する印象。
数多くのドラマを見ているボクでも主演ドラマは見たことがありません。
だけど顔は知っていてそれなりに有名です。
先月放送が終了した99億の女(クシプクオゲ ヨジャ:99억의 여자)は途中まで数字を上げたものの、最終的にはフェードアウト。
アカデミー賞の発表と放送スケジュールが合致していればもっと数字が伸びたかもしれませんね。

チェ・ウシク(최우식) キム・ギウ(김기우)役
画像最左。
よく見るちょい役という印象の俳優。
今回は主役級俳優として映画全体をリードしていましたね。
日本で一番認知されている役は、ユチョンと共演した「屋根部屋のプリンス」の内侍ト・チサン役でしょうか?
チャンヒョク&チャン・ナラ主演の「運命のように君を愛す」にもちょい役で出演していますよ。
パク・ソダム(박소담) キム・ギジョン(김기정)役
画像右3。
ドラマの主演はチャンヒョクと共演した「ビューティフル・マインド」がそれなりに知られているかも?
ただし、大コケしました。
そのためボクの中では、数字を持ってない女優という印象。
1991年生まれで韓国では30歳。
そろそろ演技力に磨きがかかってくる年齢です。
これからの活躍に期待しましょう。

イ・ジョンウン(이정은) クク・ムングァン(국문광)役
画像左4。
韓国ドラマファンにはおなじみの女優。
彼女が参加したからこの映画もヒットしたのではないかと思われるほどに、何かを持っている女優です。
ミスター・サンシャイン(미스터 션샤인)や椿の花が咲く頃/椿 咲く頃(トンベッコッ ピル ムリョプ:동백꽃 필 무렵)でも、印象的な演技を見せてくれました。
今後の出演作品も要チェックです。


チャン・ヘジン(장혜진) チュンスク(충숙)役
画像右2。
汚らしい印象の怪力お母さんでしたが、本当はきれいなおばさんです。
映画のキャリアのほうがずいぶん長く、ドラマは2作しか情報がありません。
そのうちの一つは現在放送中の愛の不時着(サランエ プルシチャク:사랑의 불시착)。
ソ・ダンの母親役の面白いおばさんを演じています。
容姿が違うので、同一人物としてつながらないかもしれませんね。

パク・ミョンフン(박명훈) クンセ(근세)役
画像左3。
地下に住んでた男を演じていました。
彼の経歴を見ても出演ドラマはたった一つしかありません。
演劇・映画畑の人です。
ただ、その一つが現在放送中の大ヒットドラマ「愛の不時着」。
なんと、チャン・ヘジンの弟役(ソ・ダンの叔父)で出演しています。
ギョロッとした目が印象的なので、これから認知度が高くなりそうですね。
パク・ソジュン(박서준)
画像左2。
現在放送中の梨泰院クラス(イテウォン クルラス:이태원 클라쓰)で主役を張っている彼。
このドラマはこれから大ヒット作の仲間入りをする作品なので、未視聴の方は見ておいたほうがいいですよ。
他には、パク・ミニョンと共演したキム秘書はいったい、なぜ?(原題:キム秘書がなぜそうなのか:キムビソガ ウェ クロルカ:김비서가 왜 그럴까)も素敵な作品でした。
劇中ではキテクにバイトを斡旋した友人としてカメオ的に登場しましたね。


韓国映画 パラサイト 視聴感想(あらすじ含む)
半地下。
韓国らしい構造物ですよね。
ウォルセが異常に高い韓国は、下に半地下、上にオクタッパン(屋根部屋)と、条件の悪い部屋がドラマにもよく登場します。
半地下の場合は、アイドルの練習生が集団で生活する場所としても日本では認知されているかもしれません。
日本ではすっかり認知されている半地下ですが、アングロサクソンの文化圏では、その存在自体が衝撃的だったのではないでしょうか?
そこに住む人達って、監獄に入っている囚人やガレー船の奴隷のような印象を受けますよね。
当作品では、そんな明らかに下層カーストの家族が、キウを皮切りに金持ちの家に寄生していく物語です。
そして、金の匙を持って生まれた者とそうでない者との対比を、コミカルに描いています。
正直なところ、あれだけの能力、息を吐くように嘘を付きパラサイトをやってのける家族なら、もっとうまく何かを成し遂げた気もしないでもないですが・・・。
半地下は日本にないものなので、キム家の面々に共通する臭いが想像できませんでした。
けれど、途中で「地下鉄のような」との表現があったので納得。
劇後半に刺されたクンセの指にハエが止まったシーンが印象的でした。
また、半地下・臭い・コンプレックスが一体となっており、そのことが衝動殺人へと進化していった過程も見逃せません。
朝鮮半島は、自国の民の数十%を奴婢(ノビ:노비)としていた世界でも稀に見る歴史があります。
現代にも残るその一端を、この映画で垣間見ることができます。
視聴後スッキリするどころか嫌な気分になる人も多いかもしれません。
映画自体が好きな人、風刺が好きな人は問題ないでしょうが、華やかな韓国エンタメが好きな方は見ないほうがいいかも。
韓国ドラマあらすじ団
コメント
感想ありがとうございます。韓国映画は重すぎる視聴経験しかないのであまり観ないのですが、さすがにアカデミー賞なので観に行くつもりでしたがやめておきます。テーマ・匂いが想像つきました(笑)
やっぱりドキドキ・キュンキュン・夢あり・涙ありのドラマが大好き❣❣ちなみにイ・ソンギュンはコーヒープリンスで魅了され、パダヨヘン♪覚えました。イ・ジョンウンはああ 私の幽霊さまからかな!
ドラマに出ない俳優は世界的な知名度が確保できないと思ってたらこんなことに!
あれこれやっとくもんですね、俳優は。
日本の韓国エンタメファンって、ジャンルを横断する人が少ない気がします。
ボクもドラマ派だし(笑)
本文には書いていませんでしたが、イ・ジョンウンがKBS演技大賞でアメリカでのスケジュールのことを話していたのを記憶しています。
このことだったんですね~。
追記:匂いでなく、臭いですね!香港の地下鉄のような、すえた臭い?