後輩の死神から、「その他の漏れている者」の書類を受け取る死神。
どうしてできたのですか?聞いたことはあるけど処理したことはなくてと、後輩。
神の気まぐれのようなものだ、人間たちはそれを奇跡だと呼び、オレたちはそれを、その他の漏れている者と呼ぶんだろと、死神。
わ~、それなら、先輩の件も奇跡ですか?と、後輩
より特異なケース、生死簿にも名簿にも名前がなくて、どんな根拠でどう適用すればいいかわからないと、死神。
聞くだけでも頭が痛いですと、後輩。
そんな業務の話や、引っ越しの話、後輩の生活が苦しいという話、23期の中にすごくきれいな子が入ったという話などをしていた二人。
いや、二死神。
そこに、揉める男女が入ってくる。
女性が轢かれた方で、男性が飲酒運転をして事故を起こした方のようだ。
どうやら死神の被補足者だったようで、早速声をかける死神。
彼は西暦を使わず、丙申年(ピョンシンニョン)と干支で日付を告げる。
死神の茶店。
女性の方だけに例の記憶を消す茶を煎れる。
本当にすべて忘れなければならない?あの人間に対する恨みも?と、女性。
忘却もまた神の配慮だと、死神。
どうして自分にはないのかと、男性。
死神は、人を死に至らしめたのが今回が初めてではないことを指摘する。
まさに、ウンタクの母を轢いて捨てた男だった。
初めには、茶一杯飲めなかったこの瞬間を後悔するだろう、次には、茶一杯飲めなかった理由を振り返るだろう、そして悟るだろう、そのどんな瞬間も取り返しがつかないことを、そしてお前はすでに地獄にいるということを・・・
全身が毎日、粉々に裂けるだろう、苦痛にもがく毎瞬間、お前はお前がしたことを後悔するだろうが、その苦痛は終わらないだろう、永遠にと、死神。
その話を聞いて茶を飲み干す女性。
跪き、許しを請う男。
さあ、元来(神は)神経質なほうで・・・生の記憶をそっくり持ったまま、地獄を生きている者を1人知っているさ、彼もまた数限りなく祈っただろう、許してくれと、けれど意味はなかっただろう、彼はいまだに、地獄の真ん中に立っているから・・・と、死神。
墓の前に立っているトッケビ。
共に高麗(コリョ:고려)を離れて来た、幼い孫の孫の孫を埋めた。
ユ・グムソン・・・高麗で生まれこの国の地で眠る
ユ・ムンソン・・・良き友、良き師、ここに眠る
ユ・ハノ・・・ようやく、この上ない自由を
この生を賞だと考えたこともあるが、結局私の生は、罰だった・・・その誰の死も、忘れられなかった・・・と、トッケビ。
(剣を引き抜こうとするが抜けない)
その間安らかだったか?と、墓標に語りかけるトッケビ。
私は今もこうして生きていて、安らかでなかったな・・・とも。
トッケビを見つけるウンタク。
少し離れた場所に座り、トッケビに照準を合わせてたんぽぽを吹く。
日が暮れて立ち上がり、ようやくウンタクに気づくトッケビ。
おとなしくしとけと言ったろ?と、トッケビ。
おとなしくしてたわよ、何をしてたか知らないで・・・会う用ってここだったの?と、ウンタク。
すべて終わった、行こうとしてたところだと、トッケビ。
ところで、おじさんだけ墓碑銘がないわね、毎回このように住んでいた所を離れるの?何回も?と、ウンタク。
数えてみなかったと、トッケビ。
うなずき、墓碑に一礼し・・・こんにちは、チ・ウンタクです、おおよそ200年後におじさんの新婦なる人ですと、ウンタク。
違うぞと、トッケビ。
違うようです、それでも、約200年後にもおじさんは、相変らず素敵です、時折ダメですが、まっすぐうまく育っているから、そう心配しないでください、それでは・・・行きましょ!と、ウンタク。
長く過ごしたの?ここ?と、ウンタク。
小屋からホテルなどが立つほどに、離れまた戻り、離れたりした、初めて故郷を離れ定着したのがここだったんだと、トッケビ。
惜しいわね、その時その小屋を買わなきゃならないのに、そうしたらそのホテルおじさんのものなのに・・・まさかあのホテル・・・と、ウンタク。
その眼差しはなんだろう?と、トッケビ。
キャンディーを差し出し・・・これ召し上がりますか?と、ウンタク。
お前これはどこから出た?金がないじゃないか!と、トッケビ。
だから盗んだわ、早く召し上がって、早く食べてなくさないと!と、ウンタク。
なに?と、トッケビ。
フフフ、信じてる、それ・・・珍しくて見つめてるから、可哀そうでくれたの、ところでほんとにそのホテルおじさんのものなの?と、ウンタク。
遅れてないか?と、トッケビ。
どこに?と、ウンタク。
学校と、トッケビ。
今韓国の何時?と、ウンタク。
午前10時と、トッケビ。
思わず顔を手で塞ぎ・・・あ~、死んだ、担任に・・・私そのままここで暮らそうか?遅刻より不法滞在者がいいでしょ?そうでしょ?と、ウンタク。
キャンディーを返し、歩いて行くトッケビ。
光化門から韓国に戻ってくる二人。
あ~、よく寝た・・・夢から覚めたようで、私、外国旅行に行くなんて想像も出来なかったの、お陰で外国にも行ってみて、今日はありがとうございました、それでは私はこれで、夢から覚めたからもう登校しないと・・・
私がもしかして今日迷惑をかけてたとしても、一度だけ受け入れて、私が本当にとても楽しくてそうしたのだから・・・と、ウンタク。
そして、走って学校へ行く。
もちろん学校で担任に絞られる。
担任は両親のいないウンタクを冷遇している。
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