パク・シフ&コ・ソンヒ主演TV朝鮮週末ドラマ
風と雲と碑(パラムグァ クルムグァ ピ:바람과 구름과 비)
の第1話視聴感想(あらすじ含む)です。
風と雲と碑 作品データ
- 韓国・TV朝鮮で2020年5月18日から放送開始の週末ドラマ
- 脚本:パン・ジヨン(방지영)
- 演出:ユン・サンホ(윤상호) 『異夢』『師任堂ー色の日記』
- 原作:李炳注(イ・ビョンジュ:이병주)の歴史大河小説
- あらすじ:運命を読む朝鮮最高の暦術家であり、命吏を武器に活用する主人公の、美しい挑戦と哀切な愛、そして彼と彼の愛を脅かすキングメーカーたちと繰り広げる王位争奪戦を描いたドラマ。
風と雲と碑 第1話視聴感想(あらすじ含む)
風と雲と碑 視聴率
スマッシュヒットを飛ばした『夫婦の世界』の最終回を避けての始動。
初回は3.819%でした。
チン・セヨン主演の揀擇-女人達の戦争(カンテク-ヨインドゥレ チョンジェン:간택 – 여인들의 전쟁)が2.557%スタートだったことを考えると、なかなか良い始動とも言えます。
揀擇はその後6.348%まで伸ばすことに成功したので、当作品は7~8%あたりが着地点として見えてきます。
ただし、当作品は16部ではなく24部作品なので、制作陣は密かに10%超えを狙っているかもしれませんね。
「風と雲と碑」なのか「風と雲と雨」なのか?
当サイトでは前者を採用しました。
この作品は李炳注(イ・ビョンジュ:이병주)の歴史大河小説が原作です。
1989年にKBSで一度ドラマ化されており、今回も最初はKBSに渉外をかけています。
けれど、制作陣とKBSがうまく噛み合わずTV朝鮮での編成となりました。
最近は地上波で制作費を出し渋ってケーブル系に流れてくることが多々ありますね。
で、前者を採用した理由ですが、原作の表記がそうだから。
一目瞭然ですね。
この装丁は最近出た新装丁とは別で古いものです。
最近のものはドラマポスター同様に「비」に「碑」の字が入っていますが、昔のものは漢字だけ。
1977年2月12日から朝鮮日報に連載された小説で、翌年の1978年から出版が始まっています。
この頃は韓国内でもまだ漢字の読める人が比較的いたのかもしれませんね。
また、作者は明治大学と早稲田大学にも留学経験があり、漢字との親和性も高い人物でした。
流石に今回のドラマ化から「비」を「雨」にするなんて暴挙はないと思われます。
しかし、何でもやってしまうのが韓国。
今回は世界的な伝搬を考慮して「雨」をメインに「碑」の意味も持たせていますなんていい出すかもしれません。
このあたりは様子見ですね。
一つ仮説として言えることは、朝鮮最高の暦術家チェ・チョンジュンを、原作者が諸葛亮などの中華の英雄をイメージして描いた可能性があること。
とある解説文に、作者のイ・ビョンジュは韓国の司馬遷になりたかったとの記述がありました。
司馬遷とは史記を記述した歴史の大家ですね。
そうすると、「風と雲と雨」を自由に操るかのごとき人物像も見えてきます。
ひょっとすると、ドラマ内の描写でそのような描写があるかもしれません。
乞うご期待ということで。
ちなみに公式サイトの画像には「rainstorm」のネーミングがなされています。
「雨が入っているな~」と思ってしまいました(汗)
時代は哲宗(チョルジョン:철종)代
朝鮮第25代王・哲宗(チョルジョン:철종)。
江華トリョンと呼ばれた彼は、完全に庶民として江華島で生活していました。
けれど、第24代憲宗(ホンジョン:헌종)の血統が断絶したことで、急遽探し出されて王位に上がります。
遡ると正祖(チョンジョ:정조)李祘(イ・サン:이산)の父・思悼世子(サドセジャ:사도세자)が起点となります。
この頃は安東金氏(アンドンキムシ:안동김씨)の勢道政治により王が傀儡となっていた時期。
より傀儡としてふさわしい彼が王になったのも、そのような時代背景があったからです。
朝鮮時代を勉強する歴史愛好家であれば、最も権力の無かった王としてまっさきに思い浮かべるのは彼です。
けれど意外とドラマには登場しているような気がします。
ということで調べてみたのですが、直近では2012年の『ドクター・ジン』にしか登場していないよう。
第26代高宗(コジョン:고종)が登場するドラマで、先王としてちょこっと登場する事が多いのかもしれません。
また、『揀擇-女人達の戦争』では、哲宗をモデルにしたイ・ジェファも登場していました。
『揀擇』はフィクションでしたが、当ドラマと時代と登場人物が重なっているので、連続した作品として視聴しても面白そうです。
ポンニョンは実在した?
女性主人公ポンニョンは哲宗の娘で翁主(オンジュ:옹주)という設定。
哲宗の子は男子も女子も数多く生まれているものの、嫁ぐまで生きていたのは翁主一人。
しかも14歳で亡くなっています。
このことからもわかるように、ポンニョンは架空の人物です。
当ドラマでは慈駕(チャガ:자가)の呼称で呼ばれています。
いわゆる姫の呼称は一般的には媽媽(ママ:마마)だと思われていますが、実際にはチャガでした。
ポンニョンは翁主慈駕(オンジュジャガ:옹주자가)と呼ばれているので、リスニングの際に確認してみてください。
また、当サイトではポンリョンではなく実際の発音に近いポンニョンを採用しています。
日本のドラマでの表記がどの様になっているのかよくわからないのですが、オクニョ 運命の女(ひと)/原題:獄中花(オクチュンファ:옥중화)では、実際の音に近いオンニョではなく、漢字を一つ一つ呼んだオクニョになっていましたね。
ポンニョンも日本上陸の際にはポンリョンになる可能性が大です。
ついでなので言及しておくと、男性主人公チェ・チョンジュンも架空の人物です。
実在の人物はキャスト情報に生没年を記述していますので参考にしてください。
第1話の感想
やや雑なつなぎはあったものの、テンポが良くて面白かったです。
しかも、キム・ビョンウン役のキム・スンスの演技が露骨な悪役演技で、第一話にして主人公と視聴者共通の憎き敵認定できるものだったのがツボでした。
やはり、悪役が憎たらしいほどドラマは盛り上がります。
その意味ではチョンジュンの友人なのに的に回るチェ・インギュも憎たらしさ全開でした。
当作品はセリフ自体もそう多くなく意外と簡単な単語が多かったので、理解しやすくすっとドラマに入り込めます。
オリジナル音声で頑張って視聴するのもアリかもしれません。
現在何かと忙しく詳細レビューは書けない状況にありますが、簡単な視聴感想をやっていければなと思います。
やっぱ史劇っていいですね。
文責:韓国ドラマあらすじ団
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