ハ・ジウォン(하지원)、チュ・ジンモ(주진모)、チ・チャンウク(지창욱)主演の韓国ドラマ
奇皇后(キ・ファンフ:기황후:きこうごう)の第7話解説(あらすじ含む)です。
奇皇后 キャスト・登場人物紹介(改訂版)
奇皇后用語解説 どうしてテュルクでなくチュルクなのか?
先週の段階では別の内容をピックアップしようと思っていたのですが、それは来週に延期して、今回は用語解説をします。
というのも、オリジナル音声&字幕で見ていると、『アレ?』と思うところがあるため、一度やっておこうと思った次第です。
特に漢字語はそのまま韓国風に読むだけなので、日本語とそれなりに音が似ているのですが、字幕やセリフでは全く違う音になっていることがありますよね?
どうしても日本語セリフを簡素化したり、異なる言い方を同じ単語に統一しなければならないために、そのような現象が起きています。
けれど、リスニングの一助になればと思い、数語ピックアップして解説します。
※現在放送中の奇皇后は、ろうあ者用の字幕と吹き替えのセリフは全く同じです。
大丞相(テスンサン:대승상)
日本語のセリフでは丞相(じょうしょう)となっています。
ヨンチョルの官位を表していますが、オリジナル音声では『テスンサン』です。もちろん、臣下としての最高位です。
廃主(ペジュ:폐주)
ドラマ内ではワン・ユのことを指します。
廃位された君主という意味です。セリフはいろいろで、『あいつ』だったり『ワン・ユ』だったりしています。
大礼式/大禮式(テレシク:대례식)
ドラマ内ではタファンとタナシルリの婚礼を指します。婚礼にかぎらず重大な儀式は大礼式です。
突厥(トルグォル:돌궐)
辺境に追いやられたペガンとタルタルが相対する部族です。第6話の字幕の解説ではテュルクでなくチュルクになっていましたが、一般的にはテュルクですよね?
チュルクで習ったことはないですよ。おじいさんの学者あたりはチュルクと言いそうですが(汗)
どうしてNHKはチュルクにしたのでしょう?NHKの言葉の基準ではチュルクなのかもしれませんね~。
日本の国土の感覚では考えられないほど広大なユーラシア大陸ですが、モンゴル以外にも多数の遊牧民族が存在しています。
テュルク系民族も地続きの大陸をトルコから韓半島まで縦横無尽に移動しながら、それぞれの時代に国家なり集団を形成しています。
日本でも突厥(とっけつ)と呼んでいるテュルクですが、同じ漢字を韓国ではトルグォルと読みます。高句麗(コグリョ:고구려)末期を描いた大祚榮(テジョヨン:대조영)にも突厥族が登場するほど、韓国ではメジャーな異民族です。
ただし、すべて突厥と言っている民族が同一民族かと言われると微妙なところがあって、あちこちに遊牧するその性質から、かなりの混血が進んでいるのではないかと思われます。
とくにモンゴルや元の時代には、西方に広範囲に広がった各ウルスも含めて異民族国家だったため、人種の線引は困難を極めます。
燕京(ヨンギョン:연경)・大都(テド:대도)
韓半島では高麗(コリョ:고려)より下った朝鮮(チョソン:조선)でも、北京のことは燕京(ヨンギョン)と呼びます。
中国から使節が来るという内容があれば良くリスニングしてみてください。ヨンギョンと言っています。これは頻出単語なので覚えておくとよいでしょう。
世界史を選択していた方は、春秋戦国時代という言葉をご存知かと思います。秦の始皇帝が中原を統一する紀元前221年以前の群雄割拠の時代です。
その戦国時代には、戦国の七雄と言われる国家がありました。以下がその国家です。
現在の北京がある地域は燕です。これで燕の都が燕京だということがわかりますね。実際には別の名称でしたが、韓半島では通称として使用されています。
元の前王朝・後金はこの地に中都を建設しましたが、元はクビライの時代に少しずらした場所に大都を建設しました。
厳密には微妙に異なる場所なのですが、対外的にはほぼ同じ場所なので、半島側からの通称には変化がありませんでした。
このことからもわかるように、高麗人は燕京(ヨンギョン)と言い、モンゴル人は大都(テド)と言っているはずなのですが、ドラマ内ではいまいち統一されておらず、あべこべになっているような気がします。
NHKの字幕なりセリフは大都で統一されているように思えます。
絹の道(ピダンキル:비단길)
説明するまでもなくシルクロードです。
けれど、『絹の道』という文字や『ピダンキル』という音からすぐにシルクロードにつながりにくい人もいるかと思いピックアップしました。
奇皇后第8話解説(あらすじ含む)に続く
文責:韓国ドラマあらすじ団
コメント