ヘ・スが娘を産む。
この子は死んで生まれたんだと、口を閉じておくように産婆に念を押すチョン。
子は心配するな、どれだけ可愛く健康なのか、福も多い子だ、近辺で最も実力のある乳母が一気に拾い上げてくれた、だから子の心配はせずに自分の心配からしろ、一日も早く健康を取り戻さないと!と、チョン。
お願いと言い、ワン・ソへの文を渡すヘ・ス。
皇帝に子を見せてやりたいのか?と、チョン。
私が、会いたいですと、ヘ・ス。
早く読むように伝えろと言って、下男に文を渡すチョン。
けれど、ヘ・スとワン・ソの筆跡があまりにも似ていたため、自分で封筒に字を書き、その中にヘ・スの文を入れる。
めまいを覚え、床に伏すヘ・ス。
不満でも書いてあるのだろう、読んで気分を害したくないと言って、チョンからの文を読まないワン・ソ。
陛下に必ず伝える言葉があると、人までお送りになりましたと内官。
私が今そんな者にまで会う暇があるようにみえるか?と、ワン・ソ。
まだお見えになりませんか?もう何通も送ったのに、わたしがそんなに憎いのか・・・人を送ってください、わたしの言葉を伝えれば、お見えになるはずですと、ヘ・ス。
送ったさ、けれど・・・ああ、オレがうっかりしていた、すぐに人を送るよ・・・オレたち出よう、気分も良くなってこそ体も良くなるだろ、オレが松岳で最も有名な歌楽団を呼んだ、牡丹の花も持ってきたんだけど、見たくないか?と、チョン。
牡丹?と、ヘ・ス。
特別に聞きたい歌があるか?と、チョン。
首を横に振るヘ・ス。
最もうまいのを頼むと、チョン。
陛下の寵愛を受けた宮女が、この歌一曲で陛下の心を捉えたといううわさが立った曲ですと、歌い手。
聞きたいですと、ヘ・ス。
その曲は、ウンの誕生日にヘ・スが歌ったものだった。
わたしの命を、皇子様の命と思うという約束、覚えていますか?わたしの子、私の代わりにきっと守ってください、皇宮に送ってはなりませんと、ヘ・ス。
どうしてそんなことを言うんだ?と、チョン。
その方は来られませんと、ヘ・ス。
ス、来世でも、オレを覚えてるだろ?と、チョン。
忘れるでしょう、すべて、忘れるでしょう、夢でさえ・・・すべてを・・・・・
息を引き取るヘ・ス。
スが、こんなにまで私を憎むはずがない・・・と、ワン・ソ。
陛下に続けて文を送ったと、お読みにならなかったので?・・・と、チモン。
何かを悟り、チョンが送った書簡を開けるワン・ソ。
すると、その中から、ヘ・スの文が出てきた。
何通も・・・。
人生は夢と似ています・・・正と邪、愛と憎しみも、結局は歳月に音もなく埋められ、痕跡なしに流れて行きます・・・
まだ私の心をすべて持つことができないと誤解して憎むのですか?愛でない憎悪を残し、あなたを楽に休めないようにしているのではないか?常に心配です・・・
依然として愛しています、雨の中ですべてのものを捨て、私のそばに立った時、私のために、飛んでくる矢に体を投げ出した時、あなたを生涯忘れることができなくなりました・・・
愛するの反対は、憎いではありませんでした、「捨てる」でした・・・私はあなたを、あなたは私を、捨てたと感じるかと、怖いです・・・
恋しく恋しいですが、近しくすることができません、曲がった垣根の内でまた会うことを、毎日あなたがいらしてくださることを待っていますと、ヘ・スの文。
馬を走らせるワン・ソ。
骨壷に触れ意気消沈しているチョンの元にペガがやってくる。
ヘ・スからのペガへの文を渡すチョン。
そこに飛び込んでくるワン・ソ。
スはどこに居るのだ?スはどこだ!ス、イタズラはせずに出てこい!ス、どこに居る?どこにいるんだ!?と取り乱す。
そして、チョンが触れていた骨壷が目に入る。
いままで何をしてこうしているのですか?ようやく来て、悲しいふりをするなと!と、チョン。
お前がそうさせたんだ、封筒にお前の名が書かれてあったので、その中にスの文があるのが分からなかったというのだ!と、ワン・ソ。
それは、二人の筆跡がすごく似ていて・・・けれどスが死に行くことくらい、知っていたのではないですか?この家の内外に密偵を植えて監視したことも全て知ってますと、チョン。
お前がスと同じ部屋を使い、親しい姿を見せたせいで、これ以上ヘ・スと関連した報告はお受けにならなかったと、ペガ。
泣きながら骨壷を抱き・・・ス、行こうと、ワン・ソ。
駄目です、絶対ダメだ、オレの夫人だ!と、チョン。
どけ!スは死んでも、私の人だと、ワン・ソ。
チョンを制止し・・・チョン、わかってるじゃないか!お前がより良くわかっているはずだ!スが誰といっしょにいたいんだ?と、ペガ。
去っていくワン・ソ。
本当にヘ・スを親友と思うなら、これ以上陛下と争うな・・・ヘ・スは、生涯オレたちの間に挟まり、あれやこれやとできなかった、それなのに、さらにヘ・スを悲しませるのか?と、ペガ。
ヘ・スの形見を懐から取り出し涙するチョン。
お前まさか?バカみたいに・・・と言い、チョンを抱き締めてやるペガ。
ヘ・スのことを思い出し、願いの塔の前で立ち尽くすワン・ソ。
私は去りません・・・との、ヘ・スの声が繰り返し聞こえる。
コメント
最後まで訳してくださり本当にありがとうございました。
このドラマは大好きでした。
これからも楽しみにしています。
ありがとうございました。
一番詳しく、また史実とのかさねあわせ、背景の解説など、とても深く楽しむことができました。わたしにとってはじめての時代ものだったので…。
お疲れ様でした。最後まで訳してくださって感謝・感謝です。