ハン・ソッキュ(한석규)、イ・ジェフン(이제훈)、キム・ユジョン(김유정)、パク・ウンビン(박은빈)主演のSBS月火ドラマ
秘密の扉-儀軌殺人事件(ピミルエ ムン ウィギサリンサッコン:비밀의 문-의궤살인사건)
難解なので視聴を敬遠されている人も多いようですね。
このドラマは歴史的知識があることが前提になっているところもあるので、イ・サンなどをしっかりと視聴した方でないと理解するのが難しいかもしれません。
そこで、イ・ビョンフン監督作品を絡めて、簡易的に解説をしておこうと思います。
秘密の扉 人物解説
当ドラマはトンイとイ・サン のちょうど中間を描いたものですので、登場人物に重複があります。
また、おおまかな歴史的背景も共通していますので、参考にすると理解度が深まります。
英祖(ヨンジョ:영조1694-1776)
トンイではあんなに可愛かった延礽君(ヨニングン:연잉군)昑(クム:금)が狂気を帯びた初老の男に変わってショックを受けた方もいるかもしれません(笑)
最終回に王位についた姿も見ることが出来ましたよね。
そして、李祘(イ・サン:이산)では老獪なサンの祖父の姿として描かれました。
『秘密の扉』でハン・ソッキュが演じている英祖は、老獪になる寸前の時代です。
若いころに猛毅(メンイ)に署名した姿は、トンイでの青年英祖より前の姿ですが、史実でも、まさにあのようにしに怯えた英祖の姿はありました。
もちろん猛毅はフィクションですが、生きるか死ぬかわからない状況に怯えていたのです。
このあたりのことは、以前『トンイ考2』にまとめていますので、下記リンクをご覧ください。
辛壬士禍 その後の延礽君(ヨニングン)はイバラの道を歩んだ!?(2)
ちなみに、英祖が皇兄と呼び、フンボクの死体が井戸から発見された懿陵(ウィルン:의릉)に眠るのが、兄の景宗(キョンジョン:경종)です。
禧嬪張氏(ヒビンチャンシ:희빈장씨)の息子という方がわかりやすいでしょうか?
トンイでは世子(セジャ:세자)時代だけの描写で、王になってからは描かれていませんん。
延礽君は兄が王だった頃に世弟(セジェ:세제)となっていた時期がありました。コレが諸問題の元凶でもあります。
第1話のあらすじでは、そのあたりをわかりやすくするために、余分な訳語を入れています。また、弟なので世子(セジャ:세자)ではないことにも注意して置かなければなりません。
奇皇后(キ・ファンフ:기황후)の解説でも、コレについては説明しましたね!
李愃(イ・ソン:이선:1735-1762) イ・ジェフン(이제훈)
本当は右のイ・サンに出てきたイ・ソンのように髭をはやしていなければなりません。
『秘密の扉』では、イ・サンでは冒頭部分だった米びつに入って死にゆくまでの過程を描きます。
恵慶宮洪氏(ヘギョングン ホンシ:혜경궁 홍씨:1735-1815)
恵慶宮といえばキョン・ミリさんのイメージが強くて、人となりもイ・サンで描かれたイメージを引きずりがちですが、一旦リセットして視聴したほうがよいでしょう。
イ・サンの母としても、どちらかというと流されがちな姿で描写されていましたが、今回の恵慶宮は鉄の女として描かれています。
洪鳳漢(ホン・ボンハン:홍봉한:1713-1778) キム・ミョングク(김명국)
恵慶宮の父でイ・サンの外祖父、思悼世子にとっては姑にあたります。
彼の所業が故意か過失かによって、歴史の評価が180度変わってしまいます。今回はどのように描かれるのでしょうか?
蔡済恭(チェ・ジェゴン:채제공:1720-1799) チェ・ウォニョン(최원영)
1694年の甲戌換局(カプスルファングク:갑술환국)で、南人(ナミン:남인)は粛宗(スクチョン:숙종)から鉄槌を下され、二度と立ち直れない党派となりました。
その南人の中でも何とか生き延び領議政(ヨンイジョン:영의정)にまで上り詰めたのが彼です。イ・サンでは優しく真摯にサンを輔弼する姿が描写されました。
おまけ
シン・フンボク(신흥복) ソ・ジュニョン(서준영)
名前からして申潤福(シン・ユンボク:신윤복)からの本歌取りだとわかるでしょう。フンボクは架空の人物で申潤福はイ・サンの時代の画員です。
朴文秀(パク・ムンス:박문수1691-1756) イ・ウォンジョン(이원종)
10年以上前に御史パク・ムンス(オサ パク・ムンス:어사박문수)というドラマが、ユン・ジュンサン主演でありました。
葵の印籠なら水戸黄門と、日本人の多くが連想するように、暗行御史(アメンオサ:암행어사)ならパク・ムンスと、多くの韓国人が連想します。
それだけ清廉潔白で公のことを考える人物なのです。
ドラマ内では御史としか言われていませんあg、暗行御史と訳しています。
『秘密の扉』ではイ・ソンの師父になっていますが、彼が世子侍講院(セジャシガンウォン:세자시강원)に在籍していた当時は、実は英祖が世弟(セジェ)だった最終年です。
だからこの設定もフィクションです。ただし、少論(ソロン:소론)から教育を受けて育ったイ・ソンですので、直接の師父ではなくても、先輩学者としては尊敬していたことでしょう。
文責:韓国ドラマあらすじ団
コメント
解説ありがとうございました。
確かに「秘密の扉」難しいです。登場人物も多いし、表の顔と裏の顔が違っているし。誰と誰が仲間でその立ち位置がどうなっているか・・考えながら頑張って視聴しています(苦笑)
イ・サンとトンイ以外で、「ペクドンス」のオ・マンソクssiの世悼世子も思い浮かびました。
arasuji団さんがおっしゃるように恵慶宮は「鉄の女」として描かれていますね。あの状況で息子を王にするために生き抜いたのですからあれくらい強くて当然といったところでしょうか。
今後もあらすじ&解説よろしくお願いします。
ありがとうございます。
私、実は韓流ドラマがあまり好きではありません。でも、隣国を隣国の人々を少しでも理解したいと思い、数年前より時代劇を見始めました。ドラマはフィクションが多いことは解っていましたが。
「秘密の扉」、今までにない感激をして、静かに静かに興奮し、今までの時代劇の中に通奏低音のように流れる何かを感じることができました。そして、これまでに見た時代劇がすべて繋がりました。そして、「なぜ朝鮮王朝が滅亡してしまうのか」まで気になり、王朝の歴代を調べてみたりしています^^韓国が近くなりました。
情報を頂いて、本日の放送を見終わって感動をお伝えしたいと思いました。
多謝
( 地上波夜に放送になってからの有名な、「チャングムの誓い」からです。「トンイ」「イ・ソン」と続きました。その頃は、どうしても理解しにくいこともたくさんありました。その後、母の介護をするようになり、テレビ大阪の放送を見るようになります。正午からの時代劇をBGドラマに母の世話をしています。ずっと座って見ていられるわけではないので、DVDまで借りて見ています^^)