ひところは地上波視聴率☓5や10になると言われていたケーブルテレビ視聴率。
それは本当か?
集計方法は?
地上波視聴率との比較方法は?
その他の指標は?
韓国のケーブルテレビ視聴率に関する覚書
・チャンネル数は270。内、稼働しているのは100ちょっと。
・視聴率集計方法は基本的に地上波と同じだが、サンプル数が違う。AGBニールセンメディアリサーチで地上波は4320世帯、ケーブルは2050世帯。
・また、ケーブルに加入していない世帯は地上波しか選択肢が無いため、同じ数値が出たとしても、視聴意欲や広告効果には間違いなく差がある。
・地上波のみしか視聴できない家庭の購買力は低いと言わざるをえない。金銭的に余裕があるなら、ケーブルの契約をしているはず。
・ケーブルの普及率は75%。よって、地上波換算視聴率を算出する場合には、そのかけ数は1÷0.75=1.333となる。集計視聴率が4%の場合には、換算視聴率は約5.3%。
・過去においては、ケーブル普及率が10%という時代があったため、5倍10倍すべきと言われていた。
・実際にはIPテレビの普及があるため、普及率は90%近い。
・地上波とケーブルテレビが同じ視聴率の場合、圧倒的な製作コストの差があるため、ケーブルのほうが収益性が高い。
・また、ケーブルの特性上、再放送が頻繁に行われるため、トータルの視聴率(リーチ率)はケーブルに軍配が下ることも多い。そのため、費用対効果が高くなる。
・ここ最近の午後10時台のドラマは3局トータルで10%近く数字を落としている。ケーブルに流出していると看做すことができる。
・ケーブルの場合、広告主への訴求には視聴率だけでなくシェア率も重要。
・季節要因での視聴率の変化は地上波と同様。人々が出かけることの多い春秋は視聴率が低く夏冬は高い。月曜は低く火曜は高い。ウィークデーよりウィークエンドが高いのも同様。
・地上波より表現の自由が高いため、実験的な番組も多く、それが視聴率につながっている。
・『体感視聴率:ケーブルTV協会』『視聴没入度:コバコ』『コンテンツパワー指数:CJ E&M』等の視聴率とは別の指数で、広告効果を評価する試みもある。
・『相続者たち』はケーブル(CJ E&M)の『応答せよ1994』の倍の視聴率があったが、占有率(同時間帯のシェア)は『応答せよ1994』のほうが高かった。
・上記が意味することは視聴率だけでは広告効果を測れないということ。
・『応答せよ1994』の体感視聴率は30%を超えている。
・従来の視聴率調査は50代女性が主導しており、若年層の動向を把握していない。
・CJ E&M系の有料VODサービスtvingの2013年トップ10の内、ケーブル系が7番組だった。『相続者たち』は15位。
・地上波から少なからずPD(プロデューサー)が転職しており、昔に比べると番組のクオリティーが高くなっている。
有料プラットフォーム基準視聴率(2017.01.14追記)
ケーブルTVだけでなくIPTVなどの新しいプラットフォームも出現してきたために生まれた基準。
ケーブルやIPなど、有料プラットフォームの視聴率を総合して数値化している。
例えば、2017.01.13にtvNで放送されたドラマ・トッケビ(도깨비)のケーブルプラットフォーム基準の視聴率は14.254%だったが、有料プラットフォーム基準では15.546%だった。
これは、IPTV等の視聴率が約1.3%だったことを意味する。
NAVERは有料プラットフォーム基準を採用している。
文責:韓国ドラマあらすじ団
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