『恨みのためでした。私を捨てて行ったことに対する恨み。すまない。子供たちが死んだとだましたこと。さらにすまない。最後まで守ることが出来ないようで』と、キル・ソンミ。
そこに小刀を抜いたユクサンが襲いかかろうとしてやってくる。
それに気づき、最後の力で折れた刀をユクサンに突き刺すキル・ソンミ。そして、ヨニャンの手を握り息を引き取る。
あの時そうしていなければ、皆死んで組織はなくなっていた、その時、私がそうしなければ・・・と、ユクサン。
ユクサンにとどめを刺そうと、折れた刀を握るヨニャン。
けれど、その前にユクサンは絶命してしまった。
チョク・サグァンとの戦いにムヒュルも参戦する。
『ヨンギュ・ヒョン、どうして殺した?』と、ムヒュル。
『泮村(パンチョン:반촌)に武器庫は、どうして作ったの?』と、チョク・サグァン。
『政変を起こそうと、三峰(サムボン:삼봉)先生を殺そうと作ったのだろう』と、パンジ。
『そうだな、それがあんたたちの大義だろう。圃隱(ポウン:포은)を殺し、殿下を殺して建てた新たな国で、互いに殺しあうことに足らず、子供まで殺すこと』と、チョク・サグァン。
『それなら、その武器庫に子供が?』と、心のなかでつぶやくムヒュル。
『それで、あんたは誰を殺そうとして?』と、パンジ。
『5人の罪人。我が媽媽(ママ:마마)を、無理に王位に立てたムミョン、ママとワン氏たちをみな殺した李成桂(イ・ソンゲ:이성계)、鄭道伝(チョン・ドジョン:정도전)、その泮村(パンチョン:반촌)の武器庫の主人イ・バンウォン!』と、チョク・サグァン。
そして、再び戦闘を始める。
一太刀浴びて斬られそうになるムヒュル。
それを防ぎ、地面に刺さったムヒュルの剣を剣ではねてムヒュルに渡すパンジ。
さすがのチョク・サグァンといえども、二人を相手にするには荷が重かった。
結局、パンジとムヒュルに致命傷を一太刀ずつ浴びてしまう。
『強い剣術を持っていても、結局誰も守れない罪人・・・』と、チョク・サグァン。
『あんたが、最後の罪人だったのだな・・・(ヨニのことを思い出し)あんたの誤りではないはずだ。世の中がおかしいんだよ』と、パンジ。
『世の中がおかしい・・・ふっ、慰めになるな。ありがとうございます。殺してくれて・・・』と言い、絶命するチョク・サグァン。
助けてくれてありがとうとの、かつての手紙を思い出すムヒュル。
『お前が、オレを助けた。もう、オレたちの番なのか?』と、ムヒュル。
『お前がもっと強くなってくれ、オレを殺しに来てくれ、ムヒュル、どうか・・・』と言い、去っていくパンジ。
斬られた腹を抑えながら歩くパンジ。チョン・ドジョンからの、命を軽んずべからずという遺言も思い出していた。
そして、ヨニャンに出くわす。
『無事だったのですね』と、パンジ。
『南京までだけ、一緒に行かないか?』と、ヨニャン。
『キル禅師がいるのでは無いですか』と、パンジ。
『死んだ・・・どうするのだ?その次は、お前の意志のままにしろ』と、ヨニャン。
『そのようにして。母さんの言うとおりにして。いや、私の言うとおりにして。どうせオラビは、これ以上ここで生きられない。生きたので、次の人生を生きていこう、オラビ』と、やってきたプニ。
『それならお前は?』と、パンジ。
『私は、遠くの島に去るわ。世話して守らなければならない人たちも居て』と、プニ。
頷きながら涙し、『世話して守らなければならない人・・・よかった、プニ』と、パンジ。
パンジを抱きしめるプニ。
『なんだと?』と、ハ・リュン。
『庭に、ムミョンの首長ユクサンと、キル・ソンミの死体を持ってきたと』と、チョンニョン。
『どうして?』と、ハ・リュン。
『もう、ムミョンの残党をえぐり出さねばならないのではないですか?小僧が、大きい助けになるでしょう』と、チョンニョン。
『こんな狂った者に会ったな!私をどう見て!』と声を荒らげ、人を呼ぼうとするハ・リュン。
『昔ですが、松嶽(ソンアク)支部で自身の上官と部下をそれぞれ殺して逃げた、末端組織員がいましたよ。我々は点の組織なので、そのように2人だけいなくなれば、自身の正体を隠すことができます』と、チョンニョン。
『何のことを言っているのだ?』と、ハ・リュン。
『派閥争い中、松嶽支部の名簿が消えたなら、より完璧だったでしょう』と、チョンニョン。
『もう、窮地に追い込まれるので妄想に陥ったのだな』と、ハ・リュン。
『真に協力をするなら、私の後方を見ることができるだろう?何を望むのだ?』と、ハ・リュン。
『今後は私貿易も禁止させるというので、それで私は、褓負商(ポブサン:보부상)をしようかと思います』と、チョンニョン。
『褓負商?行商人をすると?』とい、ハ・リュン。
『朝鮮褓負商の巨大な連合。助けてくださりますか?』と、チョンニョン。
『互いの利さえ合えば。それなら、その、チョンニョンという法名もこれ以上使えないな』と、ハ・リュン。
『はい、そうでしょう』と言い去っていこうとするチョンニョン。
『今後そなたを、どう呼べば良い?』と、ハ・リュン。
『私家で呼ばれた本来の私の名前はペク・タル・ウォン、白達元(ペク・ダルォン:백달원)です』と、チョンニョン。
※白達元・・・朝鮮褓負商(ポブサン)の始祖
チョンニョンは生き残れとのヨニャンからの命を受けていたのだった。
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