不滅の恋人コラム。
第2回は「ヤンアン大君のモデル讓寧大君(ヤンニョンテグン)とは?」です。
不滅の恋人(原題:大君・テグン-愛を描く:テグン-サランウル クリダ:대군 – 사랑을 그리다)特集ページ
不滅の恋人コラム2 ヤンアン大君のモデル讓寧大君(ヤンニョンテグン)とは?
大妃(テビ:대비)のセリフで朝鮮はこれまで長子相続ができなかったというような言葉があったかと思います。
朝鮮の始祖・太祖(テジョ:태조)李成桂(イ・ソンゲ:이성계)は別として、「不滅の恋人」に登場する第5代・文宗(ムンジョン:문종)より以前の王は史実でも長子ではありませんでした。
ちょっと見てみましょう。
第2代・定宗(チョンジョン:정종)李芳果(イ・バングァ:이방과) イ・ソンゲの次男
第3代・太宗(テジョン:태종)李芳遠(イ・バンウォン:이방원) イ・ソンゲの5男
第4代・世宗(セジョン:세종)李祹(イ・ド이도) イ・バンウォンの3男
このように第2~4代は長子ではありませんでした。
そのため、誰が王になるのかわからない状況。
王国の場合、王統を決めるルールが明確で、つつがなくそのルールに沿って争いが起きない状況こそが、強固な国造りの一つとされています。
王族同士の闘いは国の弱体化を招くばかりですから。
ヤンアン大君のモデルとなった讓寧大君(ヤンニョンデグン:양녕대군)は、本来であれば太宗(テジョン)の次に王になるはずだった王子です。
実際に世子(セジャ:세자)としても冊封もされていました。
そんな彼が廃世子となった理由は3つあると言われています。
1.三男・忠寧大君(チュンニョン テグン:충녕대군)李祹(イ・ド이도)が王材で両親の覚えがよく、両親の会話を偶然聞いた讓寧大君はわざと狂ったふりをしたという説。
2.父イ・バンウォンが好き勝手に生きてきたのに、自分には厳しい教育を施したので反発したという説。
3.父が兄弟間の争いにより他の兄弟を殺したのを知っており、自ら退いたという説。
本当のところは定かではありませんが、とにかく歴史的事実として、彼は王になりませんでした。
もともと非行グセのある彼は、特に両親の死後は非行に拍車がかかります。
王となっていた李祹は、事あることに兄をかばいました。
そんな彼は弟より12年も長生きして、1462年に亡くなりました。
大王の兄という存在は長幼の序を重んずる朝鮮にとって絶対的とも言える権威。
非行者ということを差っ引いても、とても大きな影響力がありました。
ドラマ内のヤンアン大君も、史実の讓寧大君のように甥の大きな後ろ盾として不気味な存在感を示しています。
今後もストーリーに深く関わってくること、間違いなしです!
文責:韓国ドラマあらすじ団
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