不滅の恋人コラム。
第7回は「女真族(ヨジンジョク)ってどんな民族?」です。
不滅の恋人(原題:大君・テグン-愛を描く:テグン-サランウル クリダ:대군 – 사랑을 그리다)特集ページ
不滅の恋人コラム7 女真族(ヨジンジョク)ってどんな民族?
ヤンアン大君の訳のわからない理論で北方に出生する羽目となったイ・フィ。
ヤンアン大君というより脚本家の理論でしょうか?
世子(セジャ:세자)に冊封される人物が出征を強要されるなんて、武人集団でもない限りおかしな話です。
それはさておき、新キャラクター「ルシゲ」が登場しましたね。
彼女は母親が朝鮮人という女真族の女性です。
歴史ドラマにはこの女真族(日本語読みだとジョシンゾク)がよく登場するのですが、一体どんな民族なのでしょうか?
女真族(ヨジンジョク:여진족)
現在の中国遼寧省に住んでいた民族です。
「不滅の恋人」の7話では、癸酉靖難(ケユジョンナン:계유정난)以前の架空の朝鮮を描いているので、ドラマ内では1453年より前という設定です。
このころは、中原を支配する明国から、島外民族は女真族(ヨジンジョク:여진족)と呼ばれていました。
その前は靺鞨族(マルカルジョク:말갈족)との呼称で呼ばれており、韓国ドラマでもその族名で登場します。
三国時代の高句麗(コグリョ:고구려)や、高句麗遺民の大祚榮(テジョヨン:대조영)が率いて建国した渤海(パレ:발해)は、この靺鞨族(マルカルジョク)を支配しており、国土に内包していました。
そのため、中原の隋や唐でも靺鞨と呼ばれています。
その後、10世紀初頭に、その名称が女真と変わりました。
907年には唐が滅亡し、908年には王建(ワン・ゴン:왕건)によって半島に高麗(コリョ:고려)が建国され、パワーバランスに変化が起きた頃です。
女真族は1115年、金を建国。
領土を拡張させていき、中原の宋の上半分(北宋)や内モンゴルを征服しました。
1234年、モンゴル帝国の怒涛の進出の餌食となり、金王朝は滅亡に至ります。
そして、しばらくは数部族が元王朝に絡まり、命脈をつなぐ状況が続きました。
この民族、のちに満州民族と呼ばれるんです。
中原の最後の王朝・清を建国したのは言うまでもなく女真族で、始祖ヌルハチの跡を継いだホンタイジの代に女真という呼称の使用をやめ満州となりました。
日本人的には地名のように感じますが、満州自体が民族名です。
1636年に国号を金(後金)から清に変え、1636年末から1637年にあの有名な丙子胡乱(ピョンジャホラン:병자호란)が勃発。
仁祖(インジョ:인조)がホンタイジにひれ伏し従属を誓いました。
いわゆる三田渡(サムジョンド:삼전도)の盟約です。
このように歴史を見てみると、王朝を二度も建てた強力な民族であることがわかります。
けれど、15世紀中頃の朝鮮において、女真族は国境周辺に度々侵入してくる蛮族でしかありませんでした。
そのため、ドラマに度々登場する女真族は「オランケ」として蔑まれる対象、厄介な蛮族として描かれることがほとんどです。
不滅の恋人 あらすじ断念
どうにも時間が取れず、あらすじを断念することにしました。
歴史の解説はこれまで通り続けていきます。
あしからずご理解ください。
文責:韓国ドラマあらすじ団
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