不滅の恋人コラム。
第12回は「朝鮮で王族が官職に就くことはできたの?」です。
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不滅の恋人コラム12 朝鮮で王族が官職に就くことはできたの?
ドラマ内では首陽大君(スヤンテグン:수양대군)をモデルとしたイ・ガンが領議政(ヨンイジョン:영의정)という最高官職に就任していますよね。
「あれ?王族って官職に就けないよね?」と思った方はなかなかの朝鮮王朝通。
けれど、この時期は王族でも官職に就くことはできていました。
実際の首陽大君も最高官職に就任しています。
しかし、当時は領議政ではなく領議政府事(ヨンイジョンブサ:영의정부사)という呼称でした。
1401年太宗(テジョン:태종)1年に議政府(ウィジョンブ:의정부)が設置された際にそのように決定され、首陽大君が王・後の世祖(セジョ세조)となって以降の1466年(世祖12年)に領議政と改められたのです。
その後も、彼の弟で世宗(セジョン:세종)の4男・臨瀛大君(イミョンテグン:임영대군)の次男、つまりは世祖の甥である亀城君(クィソングン:귀성군) 李浚(イ・ジュン:이준)も領議政となっています。
当時は「亀」という字を「ク」と読んでいた感もあり、時として「クソングン」と表記されることもあります。
この人物もなかなかに有名な人物で、当時を描くドラマには必ず登場しますよ。
この亀城君こそが、王族を官職から遠ざけた原因となった人物なのです。
彼が領議政だったのは世祖の最晩年から第8代睿宗(イェジョン:예종)代の跨ぎ。
睿宗が病弱だったこともあり、文武に秀でた王族・亀城君は王位簒奪の最有力候補とみなされ、ファクトかどうかはさておいて謀反の罪で流刑となります。
その後、わずか13歳だった者乙山君(チャウルサングン:자을산군)が王位につきました。
彼が後の成宗(ソンジョン:성종)です。
そして、成宗代に経国大典(キョングクデジョン:경국대전)に王族の官職が制限されることが明記され、王族は実質的に宗親府(チョンチンブ:종친부)で管理されることとなったのです。
結局の所、首陽大君による王位簒奪が悪しき前例となっており、そのようなことが二度と起こらないようにルール作りがなされたわけです。
それ以降、王族は外交上の官職なり、強権を持つことのできない提調(チェジョ:제조)あたりを歴任することとなりました。
文責:韓国ドラマあらすじ団
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