賓館の部屋はこのようにできているのだな、私は賓館の中は初めてでと、エシン。
私も誰かを入れたのは初めてで、毎回探られるだけでと、ユージン。
部屋になにか重要なものが多いようで?と、エシン。
たった今も入ってきたと言い、照れ笑いを浮かべるユージン。
これはなんです?と、エシン。
ミュージックボックスというものなのだけど、ゼンマイを巻いたら音楽が出ている機械ですと、ユージン。
音楽?と、エシン。
青い服の袖(Green Sleeves)という西洋の民謡です、聞いてみますか?と、ユージン。
お~、だから、西洋の新しい節というのね、聞きましょうと、エシン。
友人とオルゴール鑑賞だなんて、なんだかくすぐったいわねと、部屋の前を通るヒナ。
気に入った?と、ユージン。
楽しくなるものだと思ってたわ、こんなに悲しい曲だったとは・・・事情があるの?と、エシン。
初めてアメリカに到着した時、言葉は不慣れで、道は怖くて、お腹は空いて、とても寒くて手は凍って、殴られたところは痛かったのだけど・・・この歌が聞こえました・・・たくさん泣いたようですと、ユージン。
朝鮮に来ても、よく聞きましたか?と、エシン。
しばらくはなかったのに、最近また聞きましたと、ユージン。
また、辛かったので?と、エシン。
私じゃなく、誰かが怪我をしたって、怖くてと、ユージン。
私の心配をしたの?と、エシン。
ク・ドンメがその日、済物浦(チェムルポ:???)で貴下を認識したと言っていたがと、ユージン。
知ってるわと、エシン。
ク・ドンメはその日、私を認識して撃ったわ、次の日の明け方汽車の駅で、私で合ってたのか確認までして・・・と、エシン。
ハヤシ公使から済物浦の件で言付けが来たことを伝える部下。
全員逃げられたわけじゃなくひとり顔を見たと、トンメ。
その者が私を害そうとしたのなら、その時が最も適切だったはずだわ、だけどそうしなかった、おそらく今後もそうしないはずで・・・と、エシン。
その者を信じるので?と、ユージン。
幼い頃、その者を一度助けたことがある・・・なのに、その者は私が善意で差し出した手を・・・獣のようになめ尽くしたわ、その時そのようになめ尽くしたので、その者も私を一度助けたのではないでしょうか?と、エシン。
それを信じるので?と、ユージン。
強いて答えるなら、そのようですと、エシン。
強いて答えるという言葉を・・・と、憤った様子のユージン。
けど確かなのは、私が洋服を着ている男の時に再び会えば、その時は、私が先にその者を撃つでしょう、だから心配なさらないで・・・そうしようとするならこれ(覆面)が必要です、持っていきますと、エシン。
なければ良いのでは?洋服を着ること・・・朝鮮はますます危険になっていくでしょう、貴下はますます危険になってしまってと、ユージン。
注目を受けるな、当分の間掘っ立て小屋に来るな、学堂の勉強を懸命にするな・・・どうして私にするなとだけ・・・一つぐらいはしろと言ってくれてはダメなの?と、エシン。
Loveしようと言ったではないかと、ユージン。
うっかりしてたわと、エシン。
手さえ放せば、花だけで暮せるようになるだろうに、私の記憶の中の朝鮮の士大夫の女人たちは、皆そのように生きていたがと、ユージン。(「の」が5連続:汗)
私もそうだったわ、私も花として生きているわ、ただし、私は花火なの・・・決起に出るたびに思うわ、死の重さについて・・・それで正確に撃って早く逃げるのよ、見て知っているはずだけど?・・・
洋服を着て顔を覆うと私たちは、顔も名前もなくただの義兵よ、それで私たちはお互いが必ず必要なの・・・お祖父様には残忍だけど、そのように明るく熱くなり、消えようとする、花火として・・・死ぬことは怖いけど、私は、そう選択したの。
「本当にダメでした、私はあの女人の熱さや残忍さの間の、どの場所にいるのでしょうか?すべて来たと思ったのですが、もっと行かねばならないかもしれません、火の中に、より一歩、ヨセフ、私はとても大きくつぶれたようです・・・」と、ユージン。
もう行かなければと、エシン。
303号がまだ戻ってきていない、出て行って会ってしまうかもしれないのにと、ユージン。
303号が誰なので?と、エシン。
貴下の婚約者が隣の部屋に泊まっていると、ユージン。
まだそこに泊まっているの?と、エシン。
私がもっとよく会っているのですか?それひとつ気に入ったなと、ユージン。
私の婚約者によく会うの?と、エシン。
私があなたにと、ユージン。
その話は次に、とても長い話です・・・私はこちらへ行くわと、エシン。
ここは3階ですよと、ユージン。
では!あとをよろしく・・・と言い、飛び降りて去っていくエシン。
コインを投げるユージン。
アボムにぶつかってしまう。
足が少し痛むエシン。
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