チョ氏夫人がコ・サホンを起こしにやって来る。
コ・サホンは亡くなっていた。
わかっていたかのように、経卓には遺書があった。
喪輿は質素にしろ、食べ物は十分にしろ、葬儀は5日間執り行い、弔問客は貴賤に関係なく受けなさい、生きている間、助けを受けてない者がいない・・・と、コ・サホンの遺書。
エシンが閉じ込められている物置小屋を開け・・・大監マニムが・・・と、ハマン宅。
地面にひれ伏し哭する家奴たち。
エシンは呆然としたままだ。
女人は部屋に集まっている。
エスンも泣いている。
立ち上がるエシン。
ダメです、どこの女人が葬礼に出るのですか!絶対に、絶対に駄目です!法度がそうだめだって、出ては行けません・・・と、ハマン宅。
前日のことを思い出すエシン。
祖父が物置までやって来ていた。
期待するな、明日まであの戸は開けないと、コ・サホン。
どうしてですか?と、エシン。
お前は今晩飛び出して、銃を握るだろう、お前の父親もお前ほどではなかったので、会うことのできなかったお前の母に似たようだ・・・(写真を差し出し)・・・お前の両親の顔だ、大事にしまっておけと、コ・サホン。
本当に私にくださるのですか?と、エシン。
そのかわり、その日の私を許せと、コ・サホン。
エシンが死ぬと言ったときに、死ねと返した日のことだ。
死ぬな、生きよ、必ず生きよ、エシン!と、コ・サホン。
ようやく嗚咽と共に涙を流すエシン。
馬でやって来たユージンは、塀の外で脱帽する。
イ・ワニクとイ・ドンムンもやってくる。
その直後、高宗(コジョン:고종)自らがイ・ジョンムンやスングたちを従えてやって来る。
行次も行次だが、喪服じゃないのか?と、噂する参列者達。
その上、高宗が位牌に深々と礼をしたことに、驚きを禁じ得ないイ・ワニク。
一国の皇帝が一介の年寄りの葬礼に歩みをなさったのもあきれるのですが、跪いて礼までしたと言えば、他の国は何というでしょうか?みっともない、朝鮮はまったく笑えると言うのではないですか!と、イ・ワニク。
無礼だ!と、イ・ジョンムン。
兵が握っていたムチを取り、イ・ワニクの顔を叩き・・・今日付けで、イ・ワニクをすべての官職から罷免する・・・皇命だ!と、高宗。
何が何だって?そうですか?そうなさい!すぐに滅んでしまう朝鮮の官職、私は必要ありません!と、イ・ワニク。
杖を高宗に向けていたため、それを奪い、倒れたイ・ワニクの喉元に突きつけ、じわじわと力を込めるスング。
クソ野郎、お前の息の根を私が直接止めてやるので、待ってろと、イ・ワニク。
来い、いつも待っていたと、スング。
葬列。
イ・ワニクがならず者を率いて、葬列を襲う。
馬上で笑みを浮かべるイ・ワニク。
荒れ果てたコ・サホン宅にやって来るユージン。
その宅は崩れ、家族たちはばらばらに散らばったそうです、エスンお嬢様と奥様は、ナムウォンの実家にお行きになったというのですが、お嬢様は、その日に消え、誰も消息が分からないと言います・・・と、イム・グァンスの報告。
掘っ立て小屋にも人気がない。
ナウリは最近食事も頻繁にお抜きになって・・・と、トミ。
お嬢様宅がそうなって、心配をたくさんなさってるからと、スミ。
お嬢様宅がそうなったのだけど、ナウリがどうして?と、トミ。
お前は知らなくていいの、ただ、ナウリが疲れないよう、お前がちゃんと手伝ってと、スミ。
わかったよと、トミ。
そこにヒナがやって来る。
スミの弟ね、公使館で仕事をしているというと、ヒナ。
はい奥様と、スミ。
どんな話をそうしているの?深刻に見えたんだけどと、ヒナ。
は~、イ・ワニクの悪者が、お嬢様宅を木っ端微塵にして、その宅のオルシンを亡くならせたこと、その話の最中でしたと、スミ。
その幼い目にも、イ・ワニクは悪者なの?と、ヒナ。
はい、皆悪口言ってます、知ってる兄さんたちは叩き殺すと大騒ぎですと、トミ。
そうなのね・・・行って仕事して・・・会えて嬉しかったわと、ヒナ。
ありがとうございますと、スミ。
さようならと、トミ。
タバコを吸おうとするも、マッチが折れてしまう。
声を押し殺して涙するヒナ。
嗚咽が漏れる。
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