口笛が聞こえる。
グリーンスリーヴス(Green Sleeves)だ。
振り向くユージン。
本当に絶望的な曲だ、朝鮮の運命に似合ってるようでもあり・・・ところでその女人だが、オルゴールを持っていたその朝鮮の女人、その女人は知っているのか?お前が朝鮮で奴婢だったことと、モリタカシ。
他の件を探せよ、それはもう過ぎた一つの過程により整理がついたんだよと、ユージン。
誤解せずに、気になって・・・どうしてまだ治療も受けずに?と、モリタカシ。
お前は頬を何発か殴られた治療を、何をそんなに長く受けて?お前の姿を見るに、オレを撃った子たちは皆死んだろうにと、ユージン。
殺したさ、ところで、今日済物浦(チェムルポ)の寺に送った奴らも皆死んだ、兵力の損失が並大抵じゃない・・・お前を撃った奴は私が殺したんだが、済物浦の寺に送った奴らは誰が殺したのだろうか?と、モリタカシ。
そこは誰だ?通行禁止だと、夜回りの巡軍。
気をつけろ、ユージン・・・朝鮮で会ったお前はアメリカ人なのか朝鮮人なのか、とてもこんがらがるんだ・・・それでもう、お前が私を殺す理由が、もう一つなのだと、モリタカシ。
名簿にユージンの名を書き加えるモリタカシ。
イ・ドンムンがイ・ワニクの死体を見つけ、大騒ぎして警察を呼べと言っている。
号外、訃告、前外部大臣イ・ワニク死亡・・・イ・ワニクが今日、自宅で死体で発見・・・。
長く生きればこんな日も来るな、オレの生前にイ・ワニクの訃告を見るとは夢にも思わなかったと、チュンシク。
イ・ワニクがその倭奴の医師のやつに対して、皇帝の主治医にしてやると約定したのに、金だけ受けて約束を破った・・・という遺書を自分たちで作ったので自画自賛するイルシク。
なんと言いましたか?自信があると言ったでしょう?オレは決心すれば国も売るんだけど、アニキに会って、こう生きてるんじゃないですか!と、笑顔のチュンシク。
チュンシクはヒナがこのように仕組んだことを疑問に思っていた。
真犯人を知っているということじゃないか?あの両班も知ってる感じでと、イルシク。
それは、物思いにふけっている様子のヒソンのことだった。
隠れに来られるか?と、ヒソン。
イ・ワニクが死んだとの報告を訳官から受け・・・知る必要はない、日本人ではないので朝鮮側で処理しろと言えと、モリタカシ。
チョン警務使もまた、イ・ワニクの死について秘書から昼に申告があったとイ・ジョンムンに報告していた。
いつかはそうならねばならなかった事、イ・ワニクが朝鮮人ではなくなって久しいので、日本に良いようにするように伝えろ、自分の国を捨てた附倭人(プウェイン:부왜인)に、朝鮮の法度は惜しいと、イ・ジョンムン。
イ・ワニクについて話し、歴史にどう残ろうと、そのように極悪非道に生きたのかわからない、恥じることなく生きなければ、正しく生きなければと、權重顯(クォン・ジュンヒョン:권중현)と李根澤(イ・グンタク:이근택)。
※クォン・ジュンヒョン・・・元帥府記録局総長署理。1905年11月の帝国の外交権を放棄した乙巳条約(第2次韓日協約)締結に主導的に参加し、乙巳五賊(ウルサオジョク:을사오적)として非難を受けた。
※イ・グンタク・・・元帥府海警局総長、のちの乙巳五賊。
ホンパの墓に石を積むスング。
酒を掛けるユージン。
最後に弓矢を置き・・・ご苦労だった、振り返らずに、ここはもう我々に任せて、良く行って・・・と墓に語り、哭するスング。
帰る途中、ホンパの残した赤い信号布を銃口に巻きつける。
ここから、別に行きましょうと、ユージンに告げる。
銃を握り・・・一緒に行きましょうと、ユージン。
おどき下さいと、スング。
朝鮮で朝鮮人がその者を殺してはだめですと、ユージン。
どけと言ったんだが!と、スング。
モリタカシの手には義兵の名簿がある、それは彼の密偵が朝鮮にいるという話で、密偵から探すのが優先だ・・・けれど、腹は立つので、殺さないで生かしましょう、酒代を加えますか?と、ユージン。
空を見上げため息をつくスング。
イ・ワニクの死体を乗せた荷車。
そこにやって来るヒナ。
奥様がここに何の御用で?・・・お越しですか、大監マニムと、巡軍。
席を外してくれと、イ・ジョンムン。
父親のことは悪かったなと、イ・ジョンムン。
朝鮮には良くなったことでしょうと、ヒナ。
父親の収拾は私がしよう、それで来たと、イ・ジョンムン。
カン氏夫人は捕まえました、内通していた者はフランス公使館の書記官なのですが、彼の情報が誰に行ったのかはまだわかりません、それまで明らかにして便りを差し上げますので、必ず私の母の居所を差し出さなければなりませんと、ヒナ。
お前の母親は江原道のある交友村にいると、イ・ジョンムン。
生きておいでですか?と、ヒナ。
私が探したときは、すでに埋まったあとだったと、イ・ジョンムン。
嘘をつかないで下さい、嘘でなければなりません、それが真実なら、私は大監を殺しますと、ヒナ。
お前が生きろとそうした、母を探すという希望で、生きろと・・・と、イ・ジョンムン。
持ちこたえているのです、生きているのではなく、ようやく持ちこたえていたのですって!どうしてこんな事を欺くの?どうしてこんなことに手をうち私を利用したのかって!と、ヒナ。
その希望さえなく、お前を利用しなければ、お前は自ら放す子だったと、イ・ジョンムン。
私は今日両親をすべて失くしました、お待ち下さい、私が大監を殺しますと、ヒナ。
ユージンが待っていた場所に、子分を引き連れてやって来るトンメ。
国文もご存じない方が、郵逓司の前で会おうとおっしゃるので、昼食を抜いて出ました、なんですか?災難にでもお遭いになったのかと思ってと、トンメ。
ここをちょっと探らなければならないんだが、手伝ってくれるか?と、ユージン。
見物しに来たんですが?手伝う理由がなくてと、トンメ。
敵の敵は同志という、オレたちは今同志だと、ユージン。
両腕まくって手伝いましょう、私もその者に返すものがちょっとあってと、トンメ。
タカシは1902年までニューヨークにいた、そんな者が朝鮮に来る前から、すでに多くのことに通じていました・・・朝鮮に入ってきていなかったのに、入って来ていたのですと、ユージン。
アメリカと朝鮮・日本を自由に行き来するとなれば、確かに公使館の職員ということなのに、そんな者が今ちょうど私の前にいるんだけどと、トンメ。
怪しい電報が交わされたはずです、日本・アメリカ・朝鮮間でと、ユージン。
仕事をしろ、これは見た目より慣れてて大丈夫だ、仕事しろと、部下に告げる郵逓司の官吏。
ユジョたちに刀で脅されているのだ。
その怪しい情報というのは、もしかしたこんなのでしょうか?下駄商人がフランス公使館書記官に、千円の郵便換(郵便為替)を送りました・・・下駄がこんなに金になると知っていたら、ムシン会ではなく下駄を売っていたのにと、トンメ。
捕まえたようだと、ユージン。
拉致されるレオ。
その目前にイ・ジョンムン。
誰ですか?ここはどこですか?と、レオ。
モリタカシに朝鮮の情報を売った密偵です、この者でなくても、タカシに買収された密偵がもっといるはずですと、ユージン。
私もまた探していた者だ、どうして私に差し出してくれるのだ?と、イ・ジョンムン。
私が知る朝鮮人の中で、一番恐喝脅迫に長け、権謀術数に長けた人でと、ユージン。
朝鮮がこうまた一度世話になったと、イ・ジョンムン。
もう朝鮮が私にも返してもいいのにと、ユージン。
どのように返してやろうか?山をもっとやらねばならないか?と、イ・ジョンムン。
戦争をしてみてというのです、奪われるなら取り戻すことができますが、差し出してしまえば戻すことはできません・・・ある女人も、ある砲手も、守ろうとあくせくする朝鮮なので、奪われる前に、差し出さないで下さい・・・それが自分の山でもないくせにと、ユージン。
連れて行かれるレオ。
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